三菱UFJ銀行のレポート『ホルムズ海峡の事実上封鎖と 世界経済への影響』からASEANへの影響を見る
三菱UFJ銀行のレポート『ホルムズ海峡の事実上封鎖と 世界経済への影響』からASEANへの影響を見る
東南アジア株式新聞 2026年4月5日
三菱UFJ銀行・経済調査室が4月3日に『経済情報:ホルムズ海峡の事実上封鎖と 世界経済への影響』
と題したレポートを発表した。
「同海峡航行の段階的回復と、代替ルート活用も含めた各国・企業の取組により、中東地域からの
原油等供給は振れを伴いつつも緩やかなペースで正常化が進み、原油等の価格も実際の需給を反映
して次第に落ち着いていく」と想定して以下の予想を示した。
ASEAN地域の2026年の予想:
GDP(国内総生産)は「▲0.3〜▲0.5%ポイント程度」の下振れがある。
物価上昇率は「+ 0.9〜+ 1.4%ポイント以上」の上振れがある。
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| 三菱UFJ銀行のレポート |
「先行きの前提」として、米国とイランの双方の事情を分析し、
合理的に行動すると想定している。
単純に言うと、
米国は中間選挙を控えインフレをこれ以上上昇させたくない。
イランは友好国を減らしたくない。
また、石油製品・化学製品の供給制約の影響を分析対象外としていることも、
マイナスの影響を小さく見せているかもしれない。
これ以上事態が悪化しない前提での予想と見れば学びがあると思う。
「アジア経済への影響」では、以下のポイントを指摘している。
同レポートの原油価格前提の下では、
中国で▲0.2〜▲0.3%ポイント、NIEsで▲0.4〜▲0.6%ポイント、
ASEANで▲0.3〜▲0.5% ポイント程度平時に比べて下押しの可能性がある。
全般に、一次エネルギーに占める原油・ガスの比率は高く、
大半の国・地域が原油・石油製品・ガスの純輸入構造にあるため、
ホルムズ海峡封鎖の影響は他地域と比べ大きくなる。
とりわけ、原油・石油製品・ガス輸入の中東依存度が高く、備蓄の少ないASEANの一部・
インドでは悪影響が懸念される。
各国の補助金等も含めた政策対応により影響は一定程度緩和されるとみられるが、
ドバイ原油価格や為替相場を含めた今後の物価次第では、景気の更なる下振れ要因になる。
金融政策は当面据え置かれる公算が高く、
一部の国では通貨防衛の観点から利上げも選択肢となるだろう。
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| 三菱UFJ銀行レポートの表 |
※ 一次エネルギーは、石油、石炭、天然ガス、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力等)
など、自然界から直接採取されるエネルギー源のこと。
加工した電力やガソリンなどが「二次エネルギー」。
同レポートの表にある通り、ベトナム・フィリピン・インドネシアは石炭火力や水力の比率が高い。
※ 「原油・石油製品・ガス輸入の中東依存度が高く、備蓄の少ないASEANの一部」を表で見ると、
中東依存度約30%以上は、タイ・マレーシア・フィリピン・ベトナム。
備蓄が少ないのは、インドネシア・フィリピン・ベトナム(マレーシアが不明)。


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