企業研究|SGX(シンガポール証券取引所、Singapore Exchange Ltd、SGX:S68)[更新]

企業研究|Singapore Exchange Ltd(SGX、SGX:S68)

  • 1999年にシンガポール証券取引所(SES)とシンガポール国際金融取引所(SIMEX)が合併して設立

  • 2000年にSGXに株式上場

  • アジアで最も国際的なマルチアセット取引所。上場、取引、クリアリング、決済、保管、データサービスを提供し、上場企業の約 40% と上場債券の 80% 以上がシンガポール国外の発行

  • SGXを中核とするシンガポールは、アジアの金融センターとして、香港と激しく競争

    

SGX株の1年間(2025年9月26日まで、SGX公式サイトより)
SGX株の1年間(9月26日まで、SGX公式サイトより)

 


東南アジア株式新聞 2025年9月27日


9月22日の発表:

SGXインデックス社、上場企業の認知度向上を目指し iEdge Singapore Next 50 指数を発表

  • 新指数は、シンガポール株式市場の多様性を反映し、上位30社にとどまらない市場機会を提供することを目的としています。


SGX Indices社は本日、主力ベンチマークであるストレーツ・タイムズ指数(STI)以外の、

大規模で流動性の高いメインボード上場企業の業績を測るiEdgeシンガポール・ネクスト50指数の算出開始を

発表した。

透明性の高いルールベースの手法を用いて開発されたiEdgeシンガポール・ネクスト50指数は、

浮動株、時価総額、流動性といった基準を組み込むことで、規模と取引可能性の両方を兼ね備えた企業を

識別する。

より幅広い投資家のニーズに対応するため、この指数は時価総額加重型と流動性加重型の2種類が用意されている。

これらの指数は、既存のベンチマークを補完するものであり、時価総額上位30社を除く次の50社への

投資家の関心が高まる中、その知名度を高め、市場への参加を促進することを目指しています。


STIが上位30社で構成されているため、次世代を担う銘柄群として31位以降で

有力な50社を選んだことになる。



Methodology 資料を見ると、

iEdge シンガポール ネクスト50指数

指数構成銘柄は、時価総額上位30社を除く、SGXメインボードに上場する次期上位50社のパフォーマンスに連動することを目的としています。

指数構成銘柄は、時価総額上位30社を除く、6か月間の日次取引額の中央値に基づく、流動性上限基準の加重方式を用いて加重されており、個別銘柄あたりのウェイトは最大5%です。


iEdge シンガポール ネクスト50流動性加重指数

iEdge シンガポール ネクスト50流動性加重指数は、時価総額上位30社を除く、SGXメインボードに上場する次期上位50社のパフォーマンスに連動することを目的としています。

指数構成銘柄は、時価総額上位30社を除く、6か月間の日次取引額の中央値に基づく、流動性上限基準の加重方式を用いて加重されており、個別銘柄あたりのウェイトは最大5%です。

 


具体的な銘柄名(企業名)は公表されていないが、以下のセクターが含まれている。

REITが 16、金融 7、工業 8、エネルギー以外の材料 6、通信 2、消費財(非景気連動)3、

テクノロジー 3、エネルギー 3、ヘルスケア 1、消費財(景気連動) 、消費者サービス 1。


CNAの記事では、以下のような銘柄群を推定していた。

Boustead, Wee Hur, PropNex, Centurion, Sheng Siong and various S-Reits。


東南アジア株式新聞 2025年9月15日

SGX、シンガポールのFintech企業に出資


FOMOグループの9月15日の発表:

FOMOグループ、SGXグループを株主として迎え入れ、優良投資家基盤を拡大

シンガポールに本社を置く大手フィンテックグループ、FOMOグループは本日、アジア有数の

マルチアセット取引所であるSGXグループ(シンガポール証券取引所)が株主として資本参加したことを発表

しました。

これはFOMOグループにとって重要な節目であり、優良投資家基盤のさらなる拡大と、

グループの長期ビジョンへの信頼強化につながります。



FOMOグループは、決済アプリの FOMO Pay、投資アプリの CapBridge、トークン化された実物資産の取引所 1exchange などを事業展開している。


CapBridgeと1exchangeに投資したSGXグループは、株式交換を通じてFOMOグループの新たな株主となった。



The Edge Singapore の9月12日の記事:

SGX、STI以外の企業を追跡する新しい指数を導入へ:チー・ホン・タット大臣

シンガポール証券取引所(SGX)は、ベンチマークとなるストレーツ・タイムズ指数(STI)を構成する

30銘柄以外の企業を対象とする新たな指数を導入すると発表した。

チー・ホン・タット国家開発大臣兼シンガポール通貨庁​​(MAS)副議長は、この発表を9月12日に開催された

シンガポール取締役協会(SID)の理事会議で行った。

この動きは、シンガポール証券取引所に上場する企業への関心を高めるための取り組みの一つだ。

チー大臣は、「STIはシンガポールの上場企業の一部に過ぎず、EQDP(株式市場開発プログラム)の支援も

あって、次世代の企業への投資家の関心が高まっています」と述べている。

「この新たな指数は、大規模で流動性の高い次世代の企業が、ビジネスモデルの変革、ガバナンスの改善、

あるいは資本管理の強化などを通じてどのように進化しているかを追跡するための有用な視点を提供して

くれるでしょう」


SGX は、新指数の詳細を9月22日に発表する予定だ。




2025年度(2025年6月30日まで)、前年比で増収増益、純利益が15.9%増



8月8日の発表

SGXグループ、2025年度純利益6億1000万Sドルを報告

シンガポール証券取引所(SGXグループ)は本日、株式、通貨、コモディティの幅広い分野における力強い

成長を受け、上場以来最高の売上高と純利益を計上したと発表した。

2025年度の調整後純利益は、前年比15.9%増の6億950万Sドル(同5億2,590万Sドル)となった。

調整後EBITDAは16.9%増の8億3,200万Sドル(同7億1,160万Sドル)、

調整後1株当たり利益は57.0セント(同49.2セント)となった。

取引関連費用を控除後の純収益3は、全事業セグメントの売上高増加により、11.7%増の12億9,820万Sドル

(同11億6,200万Sドル)となった。

取締役会は、1株当たり10.5セント(9.0セント)の四半期配当を提案した。


2025年度 営業成績にあまり関係ない項目を除く調整後の数字:

Operating revenue less transaction-based expenses (net revenue)

S$1,298.2 million, up 11.7%


EBITDA

S$832.0 million, up 16.9%

Net profit attributable to equity holders of the company (NPAT)

S$609.5 million, up 15.9%






2025年度上半期(2024年12月31日まで) 上場以来最高の半期収益と純利益を記録


2025年2月6日の発表:

https://www.sgxgroup.com/media-centre/20250206-sgx-group-reports-1h-fy2025-net-profit-s320-million


1H FY2025 

調整後 EBITDA、NPAT には、SGX グループの営業実績への影響が少ない特定の非現金項目および非経常項目は含まれません。したがって、それらはグループの基礎的なパフォーマンスをよりよく反映します。

Operating revenue less transaction-based expenses (net revenue)

S$646.4 million, up 15.6%


EBITDA

S$425.3 million, up 23.4%

調整後S$426.9 million, up 23.9%

Net profit attributable to equity holders of the company (NPAT)

S$340.0 million, up 20.7%

調整後S$320.1 million, up 27.3%


シンガポール証券取引所(SGXグループ)は本日、2025年度上半期の調整後純利益が3億2,010万Sドルとなり、

前年同期(2億5,140万Sドル)から27.3%増加したと発表した。

調整後EBITDAは23.9%増の4億2,690万Sドル(3億4,460万Sドル)、

調整後1株当たり利益は29.9セント(23.5セント)となった。

取引ベースの費用を差し引いた後、純収益は15.6%増加して6億4,640万Sドル(5億5,890万Sドル)となり、

すべての事業セグメントで成長が見られた。

取締役会は、2025年2月21日に支払われる1株当たり9.0セント(8.5セント)の中間四半期配当を宣言した。これにより、2025年度上半期の配当総額は1株当たり18.0セント(17.0セント)となる。



SGXグループの最高経営責任者(CEO)ロー・ブーン・チェ氏のコメント:

「上場以来最高の半期収益と純利益を達成し、好調な会計年度のスタートを切りました。

現物株式と株式デリバティブが当社の幅広い業績を牽引し、通貨とコモディティがそれに続き、

OTC FX事業の顕著な成長により、現在、グループのEBITDAの5%を占めています」

今後について、

「短期的にはマクロ経済の追い風が弱まる可能性はありますが、当社は事業の成長に注力しており、

中期的な見通しについては引き続き楽観的です」と付け加えた。





東南アジア株式新聞 2024年8月12日


証券取引所の株を取り上げるなんて、と思う人もいるかもしれないが、SGX株はシンガポール株の中で

結構大物だ。

投資情報サイトのTradingViewによると、SGX上場企業の時価総額ランキング(8月12日午後)で、

SGXは12位につけている。

SGXグループの2024年度決算、純利益が前年比4・5%増


シンガポール証券取引所(SGX)グループは8月8日、2024会計年度(6月30日まで)の業績を発表した。


(FY2024後半業績のプレスリリース)

シンガポール証券取引所(SGXグループ)は本日、2024年度の調整後純利益が5億2,590万Sドルで、前年(5億320万Sドル)から4.5%増加したと発表した。

調整後EBITDAは7億1,160万Sドル(前年 6億8,860万Sドル)に増加し、調整後1株当たり利益は49.2セント(同 47.1セント)であった。

収益は3.1%増加して12億3,170万Sドル(11億9,440万Sドル)となったが、これは主に通貨・コモディティおよびプラットフォーム・その他からの収益増加によるもので、株式-現金および株式-デリバティブの収益減少により部分的に相殺された。

取締役会は、次回の年次総会での承認に向け、2024年10月25日に支払われる1株当たり9.0セント(同 8.5セント)の最終四半期配当を提案している。承認されれば、年率5.9%の増加となる。

(調整後の数値は、SGX グループの営業実績への影響が少ない非現金および非経常項目を除外)

   (中略)

SGXグループの最高経営責任者(CEO)であるロー・ブン・チェイ氏のコメント:

「当社のマルチアセット戦略は長年にわたって好結果をもたらしており、今後も当社の中核的な差別化要因

であり続けるでしょう。

2024年度の収益成長は、顧客基盤の拡大と活動の活発化により、通貨およびコモディティ事業の好調な取引量に

牽引されました。

通貨およびコモディティ事業は健全な成長の勢いにあり、過去3年間で取引量は倍増しています」



以下、発表資料からおもしろそうなものをピックアップする。


SGXのマルチアセット戦略:

2024年度 収益 12億3200万Sドル、調整前純利益 5億2600万Sドル 

構成比率:株式‐現金事業と株式‐デリバティブ事業が各27%、

FICC(通貨とコモディティ)事業が26%、プラットフォーム事業が20%

これは、株式(現金・デリバティブ)で約7割だった2016年度と比べ、収益を得る資産の分散を図った

ことでバランスが良くなっている。

上記のリリース文にある通り、2024年度に通貨・コモディティとプラットフォーム事業が伸びた。




2024年度のプロダクト強化:

  • TONA(東京オーバーナイト平均金利)とSORA(シンガポール・オーバーナイト平均金利)

にリンクした短期金利先物を導入

  • タイ・シンガポールDR(預託証券)リンクのDRの健全なパイプライン

  • アクティブETFを開始

  • 他の対象市場を含むように仕組み証券の範囲を拡大


成長に向けたポジショニング

  • 中期的にグループ収益(財務収入を除く)を6~8%のCAGRで成長させることを目指す。

  • シンガポールの株式市場開発を強化するためにエコシステム全体のアプローチを採用する。

  • より緊密な地域パートナーシップを通じてASEAN全体の接続性を強化する。 

  • 鉄と貨物の相乗効果(synergies between ferrous and freight offering)を実現し、コモディティの次の成長段階を推進する。

  • 欧州とアジア太平洋地域で顧客獲得を拡大することで、FXフランチャイズ成長機会を強化する。






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