企業研究|デュシット(Dusit Thani Public Company Limited、SET:DUSIT)

 

企業研究|デュシット(Dusit Thani Public Company Limited、SET:DUSIT)

  • タイの多国籍ホスピタリティ企業。

  • デュシット・インターナショナル (Dusit International)の名で事業展開。

  • ホテル&リゾート、ホスピタリティ教育、食品、不動産開発、ホスピタリティ関連サービスという5つの事業部門。

  • 1948年にバンコクにプリンセス・ホテルを開業。

  • 1970年、バンコク初の高級ホテルとしてデュシタニ・バンコクを開業。

  • タイ語のDusitが天国、Thaniが街。

  • 2025年9月4日、セントラルとの共同事業、デュシット・セントラル・パークが正式開業。

  • 日本では京都駅近くに高級ホテル、デュシタニ京都がある。



    
DUSIT株の1年間(2025年9月15日、SET公式サイトより)
DUSIT株の1年間(SET公式サイトより)



東南アジア株式新聞 2025年9月15日


このタイの大手ホスピタリティ企業については、最近、日本経済新聞がよく書いている。

10年近くデュシット・インターナショナルの顔だったスパジー・スタンパン氏がCEOを退任し、

アヌティン政権の商務相に就任した。

それに伴い、後任CEOになった創業家のチャニン・トーナワニック氏と

その妹たちとの争いが激化したというのだ。


日本経済新聞の9月12日の記事:

タイ・デュシットCEO退任、後任に再び創業家長男 お家騒動激化 - 日本経済新聞

タイのホテル大手デュシット・インターナショナルは12日、最高経営責任者(CEO)のスパジー・スタンパン氏が

同日付で退任したと発表した。

後任には創業家の長男で元CEOのチャニン・トーナワニック会長代行が就いた。

12日開いた取締役会で承認した。スパジー氏は7日に就任したアヌティン首相の新政権で商務相に就く。

スパジー氏は2016年に社外からCEOに抜てきされ、デュシットの事業拡大をけん引した。

同社は声明で「商務相としての重要な役目を終えたら、いつでもデュシットに戻ることを歓迎する」と発表した。


8月に妹たちが主導する創業家一族の資産管理会社は8月、チャニン氏の会長代行の解任などを盛り込んだ株主提案を提出。

9月26日の臨時株主総会でその行方が決まる。



同新聞の9月11日の記事:

タイ王室御用達ホテルでお家騒動 財閥セントラル「介入」で再編機運 - 日本経済新聞

タイのホテル業界で再編の機運が高まっている。

創業家内の対立で混乱する大手デュシット・インターナショナルの経営陣が9月下旬にも交代し、

同社に出資する小売り最大手の財閥セントラル・グループが経営への関与を強める可能性が出ている。

観光需要の回復は鈍くホテルも増加するなか、合従連衡の必要が生じている。


チャニン氏と、創業家一族の資産管理会社を主導するチャニン氏の妹2人が対立している。

創業者である母の死後、妹らは資産管理会社の取締役会からチャニン氏を追放した。


資産管理会社はデュシットの株式の49.7%を保有し、大きな影響力を持つ。

4〜5月に2回開かれたデュシットの株主総会では、資産管理会社の反対によって、

2024年12月期の決算の承認や新任の取締役案が否決された。


さらに資産管理会社は8月、臨時株主総会の開催を要請した。

チャニン氏の解任や、新たな取締役候補の選任を求めてのことだ。

これを受けデュシットは9月26日に総会を開く。


タイの大手複合企業、セントラル(子会社を通じデュシットの約17%の株式を持つ)が

資産管理会社側についているとみられている。




バンコク大型商業施設の新激戦地


最近、デュシットは本業でも話題となった。

巨大プロジェクトのデュシット・セントラル・パークが9月4日に正式開業した。


セントラルパークは、かつての名門ホテル「デュシタニ・バンコク」の跡地に建設された

大規模な複合施設だ。

デュシット・インターナショナルとタイの大手財閥セントラルグループの不動産開発会社

セントラル・パタナー(CPN)が共同で開発した。

「都市の公園」をコンセプトに、以下のような施設がある。

  • ホテル: 「デュシタニ・バンコク」

  • コンドミニアム: 高級レジデンス「ザ・レジデンシズ・アット・デュシット・セントラルパーク」

  • オフィス: 「セントラルパーク・オフィス」

  • ショッピングモール: 「セントラルパーク」

  • 屋上庭園「デュシット・アルン」


バンコクのセントラルパークとも呼ばれる広大なルンピニ公園の向かいに位置し、

BTSサラデーン駅やMRTシーロム駅と直結している。。

ルンピニ公園をはさんで反対側には、昨年開業したワン・バンコクがある。


    

デュシット・セントラルパーク公式サイトより
デュシット・セントラルパーク公式サイトより



Bangkok Post の9月5日の記事:

セントラルパーク・モールの開業で競争激化

セントラル・パタナ社(CPN)の43番目の百貨店となるセントラルパークが、

シーロム通りとラマ4世通りの交差点にオープンし、ラマ4世通りの再開発が続いている。

ラマ4世通りは、大規模開発を目指す不動産大手の注目を集めており、複合開発プロジェクト間の競争は激化する

と予想されている。


  • 2019年、TCCグループによるオフィス、住宅、百貨店、ホテルを備えた複合開発プロジェクト、

サムヤーン・ミッドタウンが開業した。

  • 2024年、TCCアセッツ(タイ)とフレイザーズ・プロパティ・ホールディングスは、

オフィスタワー、高級ホテルとレジデンス、そして高級小売スペースを組み合わせた

「ワン・バンコク」を開業した。

  • ルンピニ公園周辺では他にもプロジェクトが進行中で、

地元メディア報道では、SET上場企業のバンコク・デュシット・メディカル・サービスが、

ランスアン地区に250億バーツ規模のウェルネス複合開発プロジェクト「ヘラクレス」を

進めている。






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