国産プロトンEVの登場でマレーシアEV市場の成長に勢い

 

東南アジア株式新聞 2025年2月12日


国産プロトンEVの登場でマレーシアEV市場の成長に勢い


マレーシア初の国産EV「プロトン e.MAS 7」が2025年1月に市場投入された。

その1月の統計で、 e.MAS 7が他ブランドと差をつけて、いきなり第1位に躍り出た。

これまで同国のEV市場は中国ブランドに席巻されつつ、ゆっくりと成長してきた。人気のある国産車の登場でEV市場の拡大に勢いが出てきた。



ここで本題に入る前に、別の電気自動車(EV)ネタを1つ紹介する。

最近、マレーシアを公式訪問したトルコのエルドアン大統領は、アンワル首相にトルコ国産EV「TOGG EV」をプレゼントした。


NST Online の2月11日の記事:

TOGG EVは新たな分野での協力拡大への取り組みを象徴 - アンワル首相

TOGG EV symbolises commitment to expand cooperation in new fields - Anwar


首脳会談では、パレスチナ問題や両国経済協力の強化について話し合われ、内容は濃かった模様だ。

さて、マレーシアも国産EVを売り出し始めたところ。トルコ自慢のEVを贈られたアンワル首相の心中はいかに?


首相のX投稿では、楽しげに2人で試乗している画像が紹介された。

アンワル首相のX投稿(2025年2月11日)
アンワル首相のX投稿

 




Malay Mail の2月11日の記事:

プロトンe.MAS 7が2025年1月にマレーシアで最も人気のあったEVに、市場ではガソリンとディーゼルが減少しEVが成長

EV Registrations (Jan 2025): Most popular EVs in Malaysia


プロトン e.MAS 7 は、2025 年 1 月にマレーシアで最も人気のある EV として浮上した。道路交通局 (JPJ) の最新の車両登録データによると、先月登録された EV 4 台のうち 1 台が e.MAS 7 であり、BYD のトップ EV 候補を上回った。

(中略)

プロトン初のEVは先月421台を販売し、最も人気のあるEVモデルとなった。これに続いて、BYD Sealion 7が151台で第2位、BYD M6が136台で第3位、BYD Atto 3が104台で第4位となっている。リストはさらに続き、BMW i5が103台で第5位を獲得し、BYD Sealが95台で第6位に続いた。 Xpeng G6とZeekr 007はともに81台ずつ販売され、第7位を共有した。


1.プロトン e.MAS 7:421台 

2.BYD Sealion 7:151台

3.BYD M6 :136台

4.BYD Atto 3:104台

5.BMW i5:103台


テスラ Model Y は、26位(10台)だった。


同記事によると、ガソリン車やハイブリッド車を含めた全体の 2025年1月の登録車数は53,930台で、前年同月比23%減だった。

そのうち、EVは1,691台で、前年同月比20%増となった。


   
プロトン e.MAS 7(2024年12月にクチンで撮影)
プロトン e.MAS 7


The Sun の2月10日の記事:

マレーシアに新しい自動車市場の風景、中国ブランドのEV浸透で

https://thesun.my/business-news/new-auto-landscape-emerging-in-malaysia-as-chinese-ev-brands-make-inroads-BA13647402


国内の自動車市場で優位に立っているにもかかわらず、プロトンとプロドゥアは、電気自動車への移行においてますます大きな圧力に直面することになるだろう。

業界観測筋は、これは中国のEVメーカーがマレーシアで急速に事業を拡大し、競争を激化させ、市場の動向を再形成し、投資動向に影響を与え、サプライチェーン戦略の変化を促しているためだと考えている。


この記事で取り上げられた専門家の意見を少し取り上げる。


マレーシア科学技術大学の名誉教授バルジョヤイ・バルダイ博士:

「プロトンと中国の浙江吉利控股集団との提携は競争上の優位性をもたらすが、より大きな市場シェアを獲得するにはより手頃な価格帯のEVモデルが必要だ」


マレーシア・ムアマラート銀行のチーフエコノミスト、モハメド・アフザニザム・アブドゥル・ラシッド博士:

「これから競争が激化するだけでなく、地元企業間のイノベーションや連携も促進される可能性がある。価格は依然として主要な差別化要因だが、充電インフラ、メンテナンス、中古市場などの要素が長期的な成功を形作るだろう」






コメント

このブログの人気の投稿

建設途上で破産したニセコ高級ホテル La Plume、アジア系資本とは

2025年 ASEAN議長国としてのマレーシア

ペイシャンス・キャピタル・グループ(Patience Capital Group)、妙高でリゾート開発を進めるシンガポールの投資会社