インドネシア、6つの新経済特区を計画、一部にダナンタラから投資へ
インドネシア、6つの新経済特区を計画、一部にダナンタラから投資へ
9月9日、インドネシア国営アンタラ通信の英語記事を見ていたら、SEZ(経済特区)の記事が数本
掲載されていた。
財務相交代などに伴うインドネシア経済や財政への不安を抑えるための国際資本への宣伝に見えるが、
よい機会なので、同国のSEZについて見ておこう。
インドネシアは近い将来の計画として、新しく6つのSEZを設ける。
そのうち製造業重視のSEZに対し、政府系ファンド「ダナンタラ」から投資する見通しだ。
国営アンタラ通信の9月9日(火)の記事:
インドネシア、世界的なハラル拠点を含む6つの新たな経済特区を設立へ
インドネシア政府は、6つの新たな経済特区(SEZ)の設立準備を進めている。
このうち、東ジャワ州シドアルジョをのSEZは世界のハラール産業の拠点となる予定だ。
経済担当調整省のスシウィジョノ・モエギアルソ長官は、これら6つのSEZの設立は
プラボウォ・スビアント大統領の承認を待っていると述べた。
「これまで7つのSEZが提案されていましたが、バタン工業経済特区(KITB)はすでに承認されています。
残り6つで、そのうちの1つがハラルSEZです。
近いうちに承認されることを期待しています」と、モエギアルソ長官は火曜日にジャカルタで行われた
記者会見で語った。
ハラルはイスラム教に則った食品のこと。
シドアルジョのハラル経済特区には大きな潜在性があると長官は説明した。
インドネシア政府は同SEZを世界的なハラル産業のハブにすることを目指している。
長官が挙げた例は、豚肉の副産物を用いて中国で生産されるゼラチン産業だ。
一次加工は中国、大きな市場は中東に集中している。この間の加工で付加価値を取る考えだ。
すでに複数の投資家がハラル経済特区への投資に関心を示していると長官は付け加えた。
ハラルSEZは、東ジャワ州のシドアルジョ(Sidoarjo)で計画されている。
国営アンタラ通信の9月9日の記事:
インドネシア政府、ダナンタラ基金を製造業SEZに投入へ
インドネシア政府は、政府系ファンド「ダナンタラ」に対し、製造業強化を目的とした
特別経済区(SEZ)への財政支援を指示する計画だ。
火曜日にジャカルタで行われた記者会見で、国家SEZ評議会のリサール・エドウィン・マナンサン
事務局長代行は、バリ島サヌールの健康関連事業に特化したSEZは、ダナンタラの資金提供の優先事項ではない
ことを強調した。
「プラボウォ・スビアント大統領によって既に開所されたサヌールSEZは健康関連事業に重点を置いているため、
ダナンタラは同SEZに対する計画はないと考えています。
ダナンタラの資金は製造業SEZに振り向けていくことを目指しています」とマナンサン事務局長は述べた。
マナンサン氏によると、プラボウォ大統領が側近に対し、
ダナンタラがインドネシアの経済特区の成長を支援する役割を果たせるよう指示した。
ダナンタラ資金の投入先として「現在、我々は製造業に重点を置いています」と強調した。
インフラ整備が遅れているインドネシア東部の経済特区にも振り向けるのが大統領の意向だ。
北スマトラ州のセイ・マンケイ経済特区(SEZ)と東カリマンタン州のマロイ・バトゥータ・
トランスカリマンタン経済特区(SEZ)への支援も候補となっているそうだ。
SEZ全国評議会がダナンタラの代表者と会合し、対象となる各SEZに必要な資金の額を決定する。
代表的なインドネシアSEZ
国営アンタラ通信の9月9日の記事:
インドネシアの主要な経済特区は55億ドル以上の投資を記録
グレシックSEZとケンダルSEZは現在、インドネシアで最も投資実績の高い2つのSEZであり、
それぞれ総投資額は90兆ルピア(約55億米ドル)を超えている。
経済担当調整省のスシウィジョノ・モエギアルソ次官は火曜日、インドネシアは25のSEZを運営
しており、そのうち7つはジャワ島内、18つはジャワ島外にあると述べました。
この記事で紹介されたSEZは以下の通り。
グレシックSEZ(Gresik SEZ)
ジャワ島東部沿岸
2025年上半期までの累計投資額100兆8500億ルピアに達した。
32の産業で約4万1000人の雇用を生み出している。
PTフリーポート・インドネシアが最近、世界最大の単一ライン銅製錬所を開設した。
2025年1月から6月までに11兆2000億ルピアの投資が行われた。
同期間、輸出額は8兆4400億ルピアに達した。
ケンダルSEZ(Kendal SEZ)
ジャワ島中央北部沿岸¥f
2025年上半期までに累計投資額90兆1,200億ルピアを記録した。
128の産業で6万6,000人以上の従業員を雇用している。
2025年1月から6月までの投資実績は5兆1,200億ルピア。
同期間、輸出額は5兆2,900億ルピアに達した。
電気自動車(EV)用バッテリーの負極と正極の生産拠点としても成長している。
現在、インドネシアのSEZは25あり、13が工業特化、12がサービス業に重点を置いている。
この記事によると、2025年6月現在、SEZへの総投資額は294.4兆ルピア(194億米ドル)に達し、
約18万7000人の雇用を生み出している。
参考情報
KEK (Kawasan Ekonomi Khusus) Indonesia の サイト:https://kek.go.id/
投資のインセンティブが見られる。
インドネシアSEZの地図は:https://kek.go.id/investment/distribution
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