2025年9月18日、米利下げ後の東南アジア株・香港株、利益確定売り優勢
2025年9月18日、米利下げ後の東南アジア株・香港株、利益確定売り優勢
東南アジア株式新聞 2025年9月18日
日本経済新聞の9月18日早朝の記事:
FRBが9カ月ぶり利下げ再開 0.25%、新理事が「大幅」求め反対 - 日本経済新聞
米連邦準備理事会(FRB)は17日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で9カ月ぶりに
政策金利を0.25%引き下げた。
就任したばかりのミラン理事が0.5%の大幅利下げを求めて反対した。
参加者による政策金利の見通し(中央値)によると、年内残り2回の会合で計2回の追加利下げを見込む。
6月に示した前回見通しよりも利下げのペースが上がった。
米国の政策金利は4%~4.25%となった。
利下げ発表後の17日の株式市場では、米ダウ工業株30種平均は前日比0.56%高となった。
だが、NASDAQは同0.32%下げた。
景気拡大が続くか、すでに景気減速しているのか、米景気は判断しづらい状態が続いている。
18日の東南アジア株と香港株は、一時上げる展開を示した市場もあったが、
全体としては利益確定売りが優勢で、終値は前日比マイナスばかりとなった。
18日午前中の株価は上げ下げが混じる展開
CNAの9月18日正午頃の記事:
シンガポール:9月18日(木)のアジア市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が今年初の利下げに踏み切ったことを受け、早朝からまちまちの取引となった。
見出しは当初「上昇(Rise)」だったが、後に「まちまち(Mixed)」に差し替えられた。
主な内容は以下の通り。
日本の日経平均株価は、ハイテク株の上昇を牽引し、日中最高値を更新したが、
最近の円高が輸出企業の足かせとなったため、上昇幅は限定的だった。
日経平均株価は早朝、0.3%上昇の44,938.40で取引を終え、一時45,055.99まで上昇し、
週初めに記録した最高値を更新した。
韓国時間午前9時47分(シンガポール時間午前8時47分)現在、主要半導体メーカーの上昇に
牽引され、KOSPIは0.38%上昇の3,426.37で推移している。
韓国、日本、台湾の株価上昇が、日本を除くアジア太平洋株のMSCI総合指数を支えた。
シンガポールと香港の株価は一時下落し、ストレーツ・タイムズ指数とハンセン指数は
午前10時頃にそれぞれ0.14%と0.19%下落した。
シンガポール STIの終値は前日比0.25%安の4312.62だった。
インドネシアと香港は利下げがあったが、利益確定売りが強かった
インドネシアは17日に中央銀行が利下げを実施した。5% ➜ 4.75%。
香港金融管理局は18日に利下げした。4.75% ➜ 4.5%。
それぞれの国・地域の景気刺激を後押しするための利下げだったが、
両株式市場とも前日(17日)に高い水準に到達していたため、18日は利益確定売りが優勢で、
市場の代表指数は押し下げられた。
インドネシア IDX総合指数(ジャカルタ株価指数)は前日比0.21%安の8008.43だった。
香港ハンセン指数の終値は前日比1.35%安の2万6544.85だった。
インドネシア Jakarta Globe の9月18日の記事:
インドネシア銀行のサプライズ利下げ、株価を最高値へ押し上げ
ジャカルタ総合指数(JCI)は木曜日の寄り付きで急伸し、5.8ポイント高の8,034で過去最高値を更新した。
同指数は8,025~8,068のレンジで推移し、出来高は35億7,000万株、売買代金は1兆7,000億ルピアに達した。
取引件数は22万5,380件で、上昇銘柄は238銘柄、下落銘柄は211銘柄、変わらずは210銘柄だった。
フィントラコ・セクリタス証券は、この上昇は米連邦準備制度理事会(FRB)とインドネシア銀行(BI)による
利下げが要因だと述べた。
BIは最新の金融政策決定会合で政策金利を25ベーシスポイント引き下げ、4.75%とした。
これは、政策金利を5%に据え置くというコンセンサス予想に反する結果となった。
香港 South China Morning Post の9月18日(木)の記事:
香港は米連邦準備制度理事会(FRB)利下げに追随、住宅ローン借り手と経済に恩恵
香港の事実上の中央銀行である香港金融管理局(HKMA)は、今年初めて香港の政策金利を0.25ポイント引き下げ、
資金調達コストを引き下げることで、企業の再起を支援し、住宅ローン借り手の負担を軽減する。
香港金融管理局(HKMA)は木曜日、香港の政策金利を0.25ポイント引き下げ、4.5%とした。
これは、数時間前に行われた米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利引き下げと同水準となる。
香港ドルは米ドルにペッグしているので米利下げにある程度追随するのは自然なことでもあるが、
香港ではこれが今年初の利下げだった。
それでも、「米利下げは追い風」との見方も
輸出企業の多い東南アジア諸国にとっては、米国景気を刺激する効果のあるFedの利下げは、
自国経済にとって「追い風」と認識されるのが普通だ。
だが、今年はトランプ関税政策のせいで輸出がどのくらい落ち込むか予想できず、
米国の利下げ効果も即「追い風」とはなりにくい事情がある。
それでも楽観派はいる。
マレーシア The Edge Malaysia の9月18日の記事:
米金利低下でマレーシア株とリンギットは上昇する可能性がある、とアナリスト
アナリストによると、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和サイクルを開始する中、
マレーシア株とリンギットは米国金利の低下から上昇する可能性がある。
アペックス・セキュリティーズは、FRBの予測では2025年末までにさらに2回、50ベーシスポイントの
利下げが実施される見込みであり、これによりマレーシア株への海外からの資金流入が促進され、
相対的な魅力が高まる可能性があると、前夜の0.25ポイントの利下げを受けて発表したリポートで述べた。
「こうした資金流入は、利回り格差の縮小と地域的なリスクセンチメントの強化に支えられ、
リンギットの上昇を支えるだろう」と同社は述べた。
マレーシア FBM KLCIの終値は前日比0.79%安の1598.93だった。
ついでながら、日本市場についても少し書いておく。
18日、日本の日経平均株価は前日比1.15%高の4万5303円43銭と最高値を更新し、
初めて4万5000円台で終えた。
半導体製造装置株が買われたのが上昇の主因だが、円安方向へ振れたのも(輸出にプラスの)
安心材料だっただろう。
為替は、米利下げを受けて、(日米金利差が縮小したので)一時145円台の円高水準となったが、
日本の市場が開いてからは円安が進み、日本の午後5時段階で147.2円だった。
19日には日銀の金融政策決定会合で政策金利を維持する(利上げしない)と見られている。
今後もしばらくは、一部で「株高不況」と呼ばれているが、インフレが根強く続くため、
(インフレを反映して)株価は上がるが、(実質所得が減るため)生活は苦しい状態が続きそうだ。
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