マレーシアEPF、外国人従業員も加入が義務に(2025年10月)
マレーシアEPF、外国人従業員も加入が義務に(2025年10月)
マレーシアの従業員積立基金(EPF)が10月から制度変更、外国人従業員も加入が義務となる。
EPFは、従業員と雇用者が毎月拠出金を入れる仕組みだ。
外国人従業員の場合は月給の2%(+雇用者2%)を必ず拠出することになる。
(希望すれば拠出を増額できる)
従業員側から見ると強制貯蓄のようなもので、銀行預金よりかなり高い金利(のようなもの)が付く。
ただし、金利に当たる部分は、EPFの運用成績から配当を出す仕組みのため、毎年変動する。
EPF加入者を外国人従業員へ拡大
EPFの6月25日の発表:
EPF、マレーシア国籍以外の従業員への強制拠出金適用拡大に向けた準備強化
従業員積立基金(EPF)は、マレーシア国籍以外の従業員にEPFへの拠出を義務付ける新法の施行に向けた
万全の準備を整えるため、雇用主および主要なステークホルダーとのエンゲージメントと協議を強化している。
この法律は、2025年10月分の賃金から施行され、拠出月は2025年11月となる。
従業員および雇用主の拠出率は、いずれも月給の2%に設定される。
義務拠出の対象拡大により、マレーシアで働くすべてのマレーシア国籍以外の従業員(家事使用人*を除く)が
対象となる。
これら対象者は有効なパスポートとマレーシア移民局発行のEmployment Pass(就労ビザ)を所持している。
これまで、マレーシア国籍以外の従業員のEPFへの拠出は任意だった。
このグループへのEPFの義務的適用拡大は、国籍に関わらずすべての労働者が社会保障に
アクセスできるようにするという国家目標の達成に向けた大きな前進であり、
ひいては労働市場における公平性と公正性の向上につながる。
2025年度予算でマレーシア国籍以外の従業員にもEPF義務拠出を拡大が発表されて以来、
EPFはこれまでに30回以上のステークホルダーとの協議を実施してきた。
内務省、マレーシア移民局、マレーシア製造業者連盟、非政府組織(NGO)、
雇用主および外国人労働者団体の代表者への説明会および協議など。
外国人従業員の拠出率(積立割合)
従業員:月給の2%、雇用主:月給の2%
これはマレーシア国民の拠出率(従業員:11%、雇用主:12%または13%)よりも大幅に低い。
もし従業員が2%を超える拠出を希望する場合は、所定のフォームを雇用主を通じてEPFに提出する必要がある。
帰国時には、EPFに積み立てた金額をまとめて引き出すことが可能。
外国人のEPFに関する年齢制限と払い戻し方法
1. 年齢制限
拠出の義務: 有効な就労パスを持つ75歳未満のすべての外国人従業員が対象となる。
拠出の停止: 従業員が75歳に達すると、EPFへの拠出は停止になる。
2. 払い戻し(引き出し)の方法
外国人がEPFの積み立て金を引き出す主な方法は、「マレーシア国外への恒久的な出国」だ。
引き出しの要件:
マレーシアでの雇用が終了しており、本国へ帰国する意思があること
有効なパスポートと就労許可証(Work Permit)を所持していること
申請時期: 就労許可証の期限が切れる2ヶ月前までに申請することが推奨されている。
必要書類:
EPFの引き出し申請書
パスポートのコピー
雇用主からの退職証明書(Termination Letter)
マレーシア入国管理局発行の出国メモ(Check-out Memo)
雇用主からの拠出確認書(Contribution Confirmation Form)
引き出しの受け取り: 帰国後でも、EPFに必要書類を提出することで、積み立てた全額を
一括で引き出すことが可能だということになっている。
海外への送金は、外国為替送金小切手(Foreign Demand Draft)などを通じて行う。
これらの情報は、公式サイトのLeaving the Country Withdrawal。
2024年の配当は6.30%
3月1日の発表:
EPFの配当、Simpanan Konventional に 6.30%、Simpanan Shariah に 6.30%
従業員共済基金(EPF)理事会は本日、
シンパナン・コンベンショナルの配当率を6.30%(総支払額630億5,000万リンギット)と、
シンパナン・シャリアの配当率を6.30%(総支払額101億9,000万リンギット)と発表した。
これにより、2024年の総支払額は732億4,000万リンギットとなる。
シンパナン(Simpanan)は、貯蓄(savings)口座の意味。
通常版(Konventional)とイスラム教の教義に沿ったシャリア版(Shariah)がある。
EPFでは、あらかじめ予定した金利の付与ではなく、各加入者の口座に対して運用成績に応じて配当を行う。
運用先は株式と債券が主で、同程度の比率
8月14日の発表:
EPF、2025年上半期の総投資収入が389.2億リンギットを記録
EPFは、2025年6月30日までの6ヶ月間(2025年上半期)の総投資収益が389.2億リンギットとなり、
2024年の同期の379.0億リンギットから3%増加しました。
総投資収益には、主に為替レートの変動により実現していない有価証券の時価評価益4.4億リンギットが含まれる。
EPFの方針に従い、これらの利益は配当として分配されません。
EPFの第2四半期(2025年第2四半期)の総投資収益は206.1億リンギットで、前年同期の169.1億リンギットから22%増加しました。
EPF Q2 2025
アプリi-Akaun
EPF加入者は「i-Akaun」アプリで自分の預金(のようなもの)残高を確認することができる。
マレーシア国籍者はアプリから拠出金を追加することもできるようだ。
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| i-Akaun |
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