マレーシアの資本市場育成計画(CMP)、2040年で最大800兆円規模に

 

マレーシアの資本市場育成計画(CMP)、2040年で最大800兆円規模に

東南アジア株式新聞 2026年3月11日


マレーシア証券委員会が3月9日に、「資本市場マスタープラン2026‐2030(CMP)」を発表した。

2040年までにマレーシア資本市場を現在の3倍〜5倍までの成長をめざす野心的なものだ。

    
マレーシアCMP文書の表紙
CMP文書の表紙



証券委員会の3月9日の発表:

SC Unveils Capital Market Masterplan 2026-2030 - Media Releases

マレーシア証券委員会(SC)は本日、マレーシアの資本市場を国家成長と経済的繁栄の重要な原動力と

位置付けるための戦略的青写真となる「資本市場マスタープラン2026-2030(CMP)」を発表しました。

20年間の長期ビジョンを掲げるCMPは、新興セクターの成長を加速させることで経済変革を支援するとともに、

より先進的で包摂的、持続可能かつ地域統合された経済の構築における市場の役割を強化します。

CMPの下では、マレーシアの資本市場はGDP成長率を上回り、年平均成長率(CAGR)6~8%で拡大し、

2025年の4.3兆リンギから2030年には5.8~6.3兆リンギに達すると予測されています。

これは、新規上場、機関投資家による資本動員、価値創造プログラム、そして将来の経済成長を支えるための

社債発行による資金調達の強化によって推進されます。


「20年間」というのは、2045年までの展望を盛り込んでいるためだ。

その展望では、資本市場の規模が、CMP実施により、以下のように成長すると予想している。

  • 2025年 4.3兆リンギ

  • 2030年 5.8兆~6.3兆リンギ

  • 2045年 13.8兆~20兆リンギ


(1リンギ=約40円なので、20年後に最大800兆円規模を予想している。

日本の資本市場を金融業界全体の市場規模で見ると、現在160兆円ほどなので、その半分。

シンガポールの資本市場が現在 1.16兆Sドル=144兆円。)


CMPは、活力、包摂性、持続可能性、そして地域的機会という4つのテーマを柱としている。

  1. 活力(Vibrancy)

CMPは、マレーシアの市場評価、取引活動、資金調達を求める企業へのアクセスを

大幅に向上させることを目指す。

目標達成の鍵となるのは、株式の市場評価を最適化と、債券とスクークの価値提案の強化だ。

  1. 包摂性(Inclusivity)

マレーシア全国民が恩恵を受けられるよう、CMPは長期的な資産形成のための

資本市場商品・サービスへのアクセスを拡大することで、「底上げ」を目指す。

  1. 持続可能性(Sustainability)

CMPは気候変動の緩和、トランジション、適応、レジリエンス、包括性のある社会的成果

のための資金動員を目指す。

  1. 地域における機会(Regional Opportunities)

信頼できる地域ゲートウェイとしてのマレーシアの地位を確固たるものにするため、

CMPは、国内有力企業のASEAN地域展開を支援し、

市場の透明性・流動性・投資家エンゲージメントを強化し、

ASEANテーマの金融商品の発行を促進する。


活力の具体策:

一番市場成長に貢献しそうな「活力」の分野での主な具体策は以下の通り。


債券およびスクーク(イスラム式債券)の提案

• 上場企業(PLC)向けの個別対応プログラム

• 業績不振のPLCへの介入策

• 取締役会および経営陣の説明責任の強化

• 潜在的成長力の高い発行体向けの債券およびスクーク促進プログラムの確立

• 受託者の役割強化による投資家保護の強化

ベンチャーキャピタルおよびプライベートエクイティの成長加速

• ベンチャーキャピタルおよびプライベートエクイティ(VC/PE)業界の成長支援

• 適切なファンドビークルの検討

プライベートクレジット・エコシステムの開発促進

• プライベートクレジットおよび直接融資に関する規制の策定

• 税制および外国為替政策の見直し

オルタナティブ資産に関する規制枠組み

• 新興資産クラスに関する規制枠組みの強化

• 新規市場の導入参加者

• 新しい資産クラスの監督と監視を強化する


CMP全文



マレーシア資本市場で、ASEAN企業や域外へ進出する企業を育成;アンワル首相


CMP発表式典でのアンワル首相の発言

約3年前、まさにこの会場で、私たちはエコノミ・マダニ(Ekonomi MADANI)構想を発表しました。

その中核を成すのは、よりダイナミックで公平かつ持続可能な経済を構築するという揺るぎない決意です。

具体的には、成長ポテンシャルの上限を引き上げ、国民の生活水準の下限を引き上げ、

グッドガバナンスに根ざした、長らく待望されていた改革を推進することで実現します。

(中略)

資本市場マスタープラン(CMP)2026-2030は、4つの目標を掲げています。

資金調達の強化、ビジネスのダイナミズムへの報奨、持続可能性を価値の原動力として定着させること、

経済全体における有意義な参加の拡大です。

これらの野心は、我が国のより広範な国家変革と完全に一致しています。

新産業マスタープラン(NIMP)2030の下、産業の高度化を加速し、経済の複雑性を深め、

地域および世界で競争できる企業を育成します。

資本市場は、企業が効率的に資金を調達し、自信を持って事業を拡大し、目的を持ってイノベーションを

起こすための有意義な道筋を提供することで、この移行を後押ししなければなりません。

(中略)

CMPの下、資本市場仲介機関は、マレーシアASEAN事業体(MyABE)とブミプトラ所有のベンチャー企業が

ASEAN域外へ進出するための市場ベースの道筋を構築する上で中心的な役割を果たします。

これらの企業が地域のリーダーへと成長するにつれ、マレーシアの能力、価値観、そして基準を継承し、

ASEAN経済統合への貢献を強化するでしょう。

成長と拡大を超えて、人間的な経済は、資本が利益だけでなく、社会の福祉、レジリエンス、繁栄の共有にも

貢献することを要求します。

イスラム金融におけるマレーシアのリーダーシップにより、生活を向上させ、教育と医療へのアクセスを拡大し、

気候変動リスクに対するレジリエンスを強化するソリューションを先導する上で、

私たちは強力な位置に立ちます。

(以下略)




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