投資アプリのレイズ(Raiz)がマレーシアから撤退

東南アジア株式新聞 2024年7月8日

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投資アプリのレイズ(Raiz)がマレーシアから撤退


豪州系投資アプリのレイズ(Raiz)がマレーシア事業から撤退する。

7月5日にオーストラリア証券取引所(ASX)に届け出た発表文「Raiz to exit Malaysia」で、公表した。


 Raizのマレーシア事業は、Jewel Digital Venture Sdn Bhd (JDV) およびRaiz Invest Limited (Raiz) の完全子会社であるRaiz Invest Australia Limitedとの合弁事業 (JV) として運営されています。Raizは以前、この事業の戦略的見直しが進行中であると発表しており、その見直しの完了後、JVのパートナーは事業を閉鎖することに合意しました。

(中略)

レイズ・インベストのマネージングディレクター兼CEOのブレンダン・マローン氏は次のように述べています。「マレーシア事業の閉鎖決定により、レイズはオーストラリア事業の強化と拡大に注力できるようになります。継続的な製品革新とマーケティングキャンペーンにより、レイズのオーストラリア事業は引き続き成長し、株主に強力な経済的成果をもたらすと確信しています。取締役会を代表して、過去4年間の合弁事業パートナーシップで果たしたパートナーの役割に感謝したいと思います。」

  
Raizマレーシアの公式サイトより
Raizマレーシアの公式サイトより

マレーシアでは8日に経済メディアが報じた。


The Edge Malaysiaの7月8日の記事『Raiz to exit Malaysia』によると、


Raizモバイルアプリは、2020年半ばに国内でリリースされた。同年7月23日に発表されたPNBのプレスリリースによると、当初はメイバンクの口座保有者のみに提供されていた、アマナ・サハム・ナショナルBhd(ASNB)のユニット・トラスト(投資信託)に積極的に貯蓄および投資するための便利なプラットフォームをユーザーに提供することを目指していた。

Raizはその後、より多くの銀行のユーザーがモバイルアプリにアクセスできるようにすることでサービスを拡大し、Abrdn、UOB Asset Management、野村アセットマネジメントが提供するものを含む、より多くのファンドを投資ポートフォリオに追加した。

(中略)

同社は過去3会計年度で赤字が続いている。2023会計年度の損失は654万リンギットで、前年比17.9%減となった。2022会計年度の損失は797万リンギット、2021会計年度の損失は712万リンギットだった。

2023会計年度の同社の総資産は1,150万リンギット、負債は220万リンギットだった。また、利益剰余金は2,352万リンギットの赤字となっている。



「investment app in Malaysia」でGoogle検索すると、アプリというカテゴリーで18件出てくる。

それ以外にも、多くの銀行が貯蓄口座アプリと一体化した投資アプリを提供しており、乱立気味になっている。


投資アプリのビジネスは、中身は、デジタル証券会社だ。

証券取引所の株式や運用会社のファンド商品に投資してもらい、証券売買手数料のほか、預かり資産残高(AUM)を大きくして管理手数料を増やしていくのが基本だ。

乱立状態の中で抜け出そうと思えば、手数料を安く抑え、広告宣伝にお金をかけざるを得ず、利益率は悪化しがちだ。


投資にも手が届く家計が増えているマレーシアだが、投資アプリ業界ではすでに淘汰が始まったようだ。





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