企業研究|ジョホール・プランテーションズ(Johor Plantations Group Bhd)マレーシア証取の大型IPO
東南アジア株式新聞 2024年7月10日
ジョホール・プランテーションズ(Johor Plantations Group Bhd、Bursa:5323)マレーシア証取の大型IPO、不二製油との合弁も始動
マレーシア最大級のプランテーション会社、ジョホール・プランテーションズ(Johor Plantations Group Bhd、Bursa:5323)が7月9日、マレーシア証券取引所(Bursa Malaysia)に上場した。
JPGは、Bursa の市場区分のうち成長企業向けのACE Market ではなく最初からMain Market に上場した。大型IPO(新規上場)案件として注目されていた。
また、JPGは最近、日本の不二製油との合弁事業により、持続可能認証を受けた高品質のパーム油の製造・販売という新事業を始めた。
このほか、未利用地を太陽光発電にリースする事業も計画中で、上場後も事業拡大を図っていく方針だ。
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JPG株の2日間(Bursa公式サイトより) |
7月9日のThe Edge Malaysia の記事:
Johor Plantations gains over 7% after opening flat on debut as Malaysia's biggest IPO in over two years
(ジョホール・プランテーションズ、マレーシアで2年以上ぶりの最大級IPO、売出しから 7%超上昇)
クアラルンプール(7月9日):パーム油生産者であるジョホール・プランテーションズ・グループ(KL:JPG)は、2年以上ぶりの国内最大規模の新規株式公開(IPO)で7億3500万リンギットを調達し、火曜日の初取引日を7.14%の上昇で終えた。
ジョホール・プランテーションズの株価はIPO価格と変わらず84センで始まり、その後83センに下落した。同株は日中に93センまで上昇し、終値では最終的に90センで落ち着いた。同社の時価総額は、25億株に拡大した株式資本に基づき、22億5000万リンギットとなった。
Bursa のIPOとしては、2022年3月にファームフレッシュ(Farm Fresh Bhd)が10億リンギットを調達して以来、大型上場だった。
プランテーション会社としては、4月のMKHオイルパーム(東カリマンタン)(MKH Oil Palm (EAST KALIMANTAN) Bhd)以来、2番目の上場だ。
記事にある通り、初日の終値は売出価格を上回り、いちおうはIPO成功となった。
ただ、Bursa の最近の上場では、初日の終値が売出価格の2-3倍になった例もある(ACE Market)ので、物足りなさを感じた投資家もいたはずだ。
JPGの近年の業績は必ずしも絶好調ではなかった。
2023会計年度(2023年12月31日までの会計年度)、悪天候による配送量の減少と原油パーム油価格の下落により、純利益は1億6,731万リンギットと、前期比66.2%減少だった。
直近の2024年第1四半期に、なんとかパーム油事業が盛り返し、純利益は4,997万リンギットと回復基調に乗った。
今年1月、不二製油と共同事業を始める発表をしたことは、上場に向けて大きな追い風となった。
それに加えて、JPGはさらなる収益多角化の計画も明らかにした。
7月9日の The Edge Malaysia の別の記事:
Johor Plantations eyes new revenue streams from unutilised land(ジョホール・プランテーションズ、未利用地からの新たな収入源を狙う)
ジョホール・プランテーションズ・グループ(KL:JPG)は、従来のプランテーション用途を超えて多様化を図り、未利用地からの代替収入源を模索していると、マネージングディレクターのモハメド・ファリス・アドリ・シュケリー氏は述べた。
「はい、当社は[代替収入源を検討しています]。ご案内のとおり、[未利用地]をエネルギー[目的]に転換することで、グループへの収益を増やすことができます」
ファリス氏は火曜日に同社がマレーシア証券取引所のメインマーケットに上場した後、記者団から質問を受け、大規模太陽光発電(LSS)事業のために土地をリースする計画について語った。
2024年1月、不二製油とJPGの合弁会社の発表文:
https://www.fujioilholdings.com/en/pdf/news/2024/240125_en.pdf
以下、Geminiに、不二製油とJPGの事業についてまとめてもらった。
不二製油とジョホールプランテーションの事業の詳細
不二製油
概要
本社:日本東京都中央区
設立:1927年
事業内容:食用油脂、食塩、化学品などの製造・販売
主な事業
食用油脂事業:菜種油、大豆油、オリーブ油などの食用油脂を製造・販売しています。 同社は、日本国内における食用油脂市場シェアのトップメーカーの一つです。
食塩事業:精製塩、調味塩などの食塩を製造・販売しています。 同社は、「伯方の塩」ブランドで知られています。
化学品事業:界面活性剤、グリセリンなどの化学品を製造・販売しています。 これらの化学品は、化粧品、医薬品、洗剤などの原料として使用されています。
グローバル展開
不二製油は、日本国内だけでなく、アジア、北米、欧州など世界各国で事業を展開しています。 同社は、海外子会社や合弁会社を通じて、現地市場に合わせた製品を製造・販売しています。
ジョホールプランテーション
概要
本社:マレーシアジョホールバル
設立:1905年
事業内容:パーム油、ゴム、ココアなどの生産
主な事業
パーム油事業:パーム油の生産・販売を主要事業としています。 同社は、マレーシア最大のプランテーション会社の一つであり、年間約100万トン以上の原油を生産しています。
ゴム事業:ゴムの生産・販売も行っています。 同社は、年間約5万トン以上の生ゴムを生産しています。
ココア事業:ココアの生産・販売も行っています。 同社は、年間約2万トン以上のカカオ豆を生産しています。
持続可能な農業への取り組み
ジョホールプランテーションは、持続可能な農業慣行へのコミットメントをしており、環境に配慮したプランテーション運営を行っています。 同社は、森林破壊防止、土壌保全、生物多様性の保護などの取り組みを行っています。
不二製油とジョホールプランテーションの合弁事業
2024年1月、不二製油とジョホールプランテーションは、合弁会社「JPGフジ」を設立しました。 この合弁会社は、持続可能なパーム油を原料とした高付加価値のパーム油製品を製造・販売します。 合弁会社の資本金は最大1億8000万リンギット(約56億円)で、不二製油のシンガポール子会社フジオイル・アジアが49%、ジョホールプランテーションズ・グループが51%を出資します。 合弁会社は、2026年4月からの事業開始を目指しています。
この合弁事業は、両社にとって以下のようなメリットがあります。
不二製油:高品質なパーム油製品の安定調達が可能になり、新製品の開発を加速することができます。
ジョホールプランテーションズ・グループ:高付加価値なパーム油製品の販売チャネルを拡大することができます。
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