急騰・調整後の中国株、週明け上海は上昇。東南アジア株からの中国株への資金シフトは小規模の模様
東南アジア株式新聞 2024年10月14日
急騰・調整後の中国株、週明け上海は上昇。東南アジア株からの中国株への資金シフトは小規模の模様
先週、中国株は急騰から少し調整した。
週明け、中国株ブームはどうなったか?
上海総合は+ 2.07%で月曜の取引を終えた。
香港ハンセンは少し下落。
東南アジア株は小動きながら上昇。
同地域から中国への資金シフトは(起きているにしても)今のところ小規模の模様だ。
日本経済新聞の10月14日の記事:
金融市場が中国の財政刺激策への期待を強めている。中国の藍仏安財政相が12日の記者会見で大規模な財政出動を示唆したことを受け、14日の上海株式市場で上海総合指数は前週末比2%高で取引を終えた。市場では4兆元(約84兆円)規模の財政拡大を見込む声も出ている。
上海総合指数の14日終値は2.07%高の3284.32だった。
日経の記事は、土曜日の財政相の会見内容を好感したと見ているのと同時に、追加の財政刺激策への期待が高まっている、と言っている。
香港サウスチャイナ・モーニング・ポストの10月14日の記事:
Hong Kong stocks fall, traders unimpressed with China’s fiscal stimulus plans
香港株式市場は休日明けの取引再開後、中国財政省が発表した財政刺激策が投資家の期待を下回ったため、下落した。
ハンセン指数は終値で0.8%下落し、21,092.87となった。
こちらは、財政刺激策が投資家の期待を下回った、と言っている。
要は、市場参加者たちは追加の財政刺激策に期待している。
次に政策が発表されるのは、1~2週間後の全人代・常務委員会の後らしい。
それまでは本格的な中国株ブームにはならない、ということでもある。
今回の中国株ブームで強気派の代表格とされているのはゴールドマン・サックスだ。
13日に、中国の24年のGDP成長見通しを4.7%から4.9%に引き上げた。25年も引き上げ、4.7%成長の予想とした。
最近のゴールドマンの中国株リポートを探してみた。
10月4日発表のリポートがあった。
Chinese investors’ animal spirits return as stock market soars | Goldman Sachs
中国投資家のアニマルスピリットが復活、株式市場が急騰
中国株は、政策当局が景気刺激策を発表し、さらに追加措置が予定されているとの報道を受けて急騰した。ヘッジファンドや外国人投資家が最近、中国株に対する弱気な賭けを解消しようと躍起になっている一方で、国内市場を支配している個人投資家が株価上昇に向けて準備を進めている兆候があると、香港のグローバル・バンキング&マーケッツのアジア・マクロ・ストラテジスト、ルー・サン(Lu Sun)氏は語る。
(9月30日時点のCSI300指数の急騰の図など、中略)
これらの対策で十分だろうか?「それは間違いなく非常に差し迫った問題です」とサン氏は言う。先週議論された政策の多くは、市場にとって資金調達をより容易かつ安価にするだろう。「私たちが本当に必要としているのは、特に財政に関する需要サイドの政策であり、市場はそれを待ち望んでいます」と孫氏は付け加える。
(中略)
サン氏は、中国株が急騰した理由の1つは、景気刺激策発表前に多くの国際投資家が市場に対して「極めて弱気」だったことだと語る。ヘッジファンドの中国株への配分は数年ぶりの低水準に落ち込み、投資信託は中国株をかなりアンダーウェイトにしており、ベンチマークよりも中国株への配分が少ない。中国株の下落に賭けていたヘッジファンドは、空売りポジションを解消するために中国株を購入しており、価格上昇を引き起こしている。
「この急速な上昇の多くは空売りカバーによるものだ」とサン氏は語る。機関投資家に関しては、中国株のポジションですでに利益確定の兆候が見られる。
実際のところ、穏当な内容だ。
9月下旬発表の景気刺激策では十分ではなく、財政による需要刺激策を市場は待っている、とゴールドマンのストラテジストは4日の時点で言っている。
ところで、他のアジア株から中国株・香港株への資金シフトは起きているのだろうか?
日本は祝日で市場も休みで動きなし。
東南アジア株は好調で、外資の中国株シフトが起きているとしても、たいした影響は出ていない。
各市場とも、国内投資家の買いで株価上昇を実現している。
たまたまマレーシア株の記事を見つけた。
マレーシア国営ベルナマ通信の10月14日の記事:
https://bernama.com/en//business/news.php?id=2351382
Foreign Selling Of Malaysian Equities Eases To RM45.7 Miln Last Week(外資のマレーシア株売りは先週、4570万リンギットまで緩和)
この記事は、MIDF Amanah Investment Bank Bhd の週間リポート(10月11日までの1週間)からの抜粋だったので、そのリポートを探したところ、興味深い内容だった。。
MIDFの週間リポート
weekly_fund_flow-week_ended_11_october-midf-141024.pdf
今週も外国人投資家がアジア株を売却し、売却額は合計で 44.3億ドルとなり、前週の 73.1億ドルより減少した。台湾とフィリピンの2カ国のみが、株式市場への外国人資金の流入を記録した。
ここでの「アジア株」が正確にどの範囲なのか不明。
だが、東南アジアの新興市場(インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)については、2022年10月以降の Net Foreign Fund Flow を図示している。
2年間で大きく外資が流出しているのはタイ市場のみ。
他は、上がったり下がったりで、資金が大きく逃げてはいない。
直近ではインドネシア株がやや流入が多い。
先週までで、東南アジア株から中国株への資金シフトが大きくなっているとは言えない。
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