企業研究|FPTコーポレーション(FPT Corporation、HOSE:FPT)[更新]
東南アジア株式新聞 2025年4月22日
企業研究|FPTコーポレーション(FPT Corporation、HOSE:FPT)
1988年に設立された、ベトナムに本社を置く IT サービス・プロバイダー
テクノロジー、通信、教育の 3 つの中核分野で事業展開
2005年に日本法人FPTジャパンホールディングスを設立
コニカミノルタと複合機ソフト開発で提携、日・越双方に合弁会社がある
日本企業のDX支援事業を拡大中
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FPT株の1年間(HOSE公式サイトより) |
日本のAIデータセンターで住友商事・SBIと資本提携
日本経済新聞の4月21日の記事:
住友商事とSBI、AIデータセンター参入 ベトナム系に出資 - 日本経済新聞
住友商事とSBIホールディングスは人工知能(AI)開発向けデータセンター事業に参入する。ベトナムのIT(情報技術)大手傘下の事業会社にそれぞれ20%出資。最新の画像処理半導体(GPU)を使い、AI向けに国内有数の計算能力をクラウドで提供する。住商やSBIの営業網を活用し、メーカーや金融など幅広い企業で契約を目指す。
ベトナムIT大手、FPTが日本でのデータセンター事業向けに新設したFPTスマートクラウドジャパン(東京・港)の株式を住商とSBIが5月にも取得する。FPT社は4月から日本でAI開発に特化したデータセンター「AIファクトリー」の稼働を始めた。
この件は、1日後にFPTが発表した。
FPT JAPANの4月22日のニュースリリース:
FPT、SBIホールディングス、住友商事によるAIソリューションサービス提供に向けた戦略的提携に関するお知らせ
FPT、SBIホールディングス、住友商事は、「FPT AI Factory」による製品・サービスのエコシステムを通じてAIの活用を加速するため戦略的提携を発表いたしました。
FPTコーポレーション創業者 兼 取締役会長 チュオン・ザー・ビン(Truong Gia Binh)のコメント:
「AIの可能性に対する共通のビジョンを共有しながら、私たちは戦略的パートナーと緊密に連携し、AI技術のグローバル展開を加速させています。この提携は、すべての組織におけるイノベーションの促進、競争力の強化、技術的自律性の維持、そして日本が“AI国家”になるという目標の実現に貢献します」
東南アジア株式新聞 2025年3月13日
インドネシア国営プルタミナにAI提供、信頼性と安全性を向上
Businesswire の3月11日のジャカルタ発の記事:
FPT、インドネシアの大手石油会社プルタミナに高度な人工知能を提供
世界的なIT企業FPTは最近、エネルギー分野におけるAIを活用したイノベーションを推進するため、インドネシアの国営石油・天然ガス企業であるプルタミナと提携契約を締結した。調印式はベトナム共産党書記長トー・ラム閣下の国賓訪問中に行われた。この訪問は、技術とエネルギー分野での両国間の協力強化が主な目的だ。
契約によると、FPTはプルタミナの事業全体にわたって資産の検査とメンテナンスを最適化するために高度なAIテクノロジーを提供する。このプロジェクトは、資産の信頼性の向上と職場の安全性の向上という 2 つの主要分野に重点を置いている。 FPTがPertamina Marine Engineeringと共同で開発したAI技術は、Pertamina Hulu Energi Offshore Southeast Sumatra(PHE OSES)プラットフォームに導入され、ドローンから収集されたデータを分析し、異常、漏れ、構造的損傷を検出して、オフショア資産の完全性を確保します。さらに、Pertamina Drilling Services Indonesia (PDSI) の掘削現場では、AI 搭載システムが個人用保護具 (PPE) 規制の遵守を監視し、リスクを最小限に抑え、安全な作業環境を維持するのに役立ちます。
ついでに言うと、このときのベトナム書記長のインドネシア訪問では、両国が外交関係を最上位に引き上げるとアピールしていた。FPT・プルタミナ提携は両国の新しい経済協力の代表例となった。
日本経済新聞の3月10日の記事:
インドネシア・ベトナム首脳会談、外交関係「最上位」に - 日本経済新聞
インドネシアのプラボウォ大統領は10日、首都ジャカルタでベトナムのトー・ラム共産党書記長と会談した。経済や防衛での連携拡大を見据え、外交関係を最上位となる「包括的戦略パートナーシップ」に格上げすることで合意した。
2024年度、収益・利益とも約20%成長
1月24日の発表:
FPTは2024年に20%以上の利益成長を達成、AI - 半導体 - 自動車 - デジタル - グリーン戦略を発表後
2024年、FPTは収益62兆8,490億ベトナムドン、税引き前利益11兆710億ドンを記録し、それぞれ前年比19.4%と20.3%の成長を記録しました。これらの結果は、当社の目標の 102% を上回りました。親会社株主に帰属する税引後利益は7兆8,490億ドンとなり、21.4%増加した。 EPS(一株当たり利益)は4,940ドンとなり、前年比21.9%の増加となった。
今日のレートで、62兆8,490ドンは約3,641億円。
この発表文には、日本に関係するトピックが2つ記載されている。
日本初のM&Aで能力を強化
3月1日、FPTは日本で初のM&A取引を完了し、エヌ・エイ・シー(NAC)の100%所有権を取得し、歴史的な節目を達成しました。 NAC は、15 年にわたる専門知識と、Salesforce および CRM で世界トップ 40 にランクされているメンバーを含む約 200 人の一流エンジニアのチームを擁し、FPT のマーケティング、コンサルティング、システム開発機能を強化します。この買収により、技術革新の新たな機会が生まれます。
FPTとNVIDIAの包括的パートナーシップ
FPT と NVIDIA は、AI の研究開発を加速し、高品質の AI 人材を育成し、FPT を NVIDIA のグローバル・パートナー・ネットワーク内のサービス提供パートナーとして位置付けるための戦略的協力契約を締結しました。このコラボレーションにより、業界を問わず企業が AI 主導の時代にシームレスに適応できるようになります。
FPTは最近、このパートナーシップの一環としてベトナムと日本に2つのAIファクトリーを立ち上げ、最先端のコンピューティング・インフラストラクチャを活用した世界クラスのAIおよびクラウドコンピューティング・サービスを提供しています。
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