トランプ半導体関税の混乱 / 習・東南アジア訪問はベトナムからスタート
東南アジア株式新聞 2025年4月14日
トランプ半導体関税の混乱 / 習・東南アジア訪問はベトナムからスタート
米国時間 4月11日、米政府が半導体などを関税対象から除外すると発表したのを受けて、14日のアジアの株式市場は楽観ムードが広がったが、強気一辺倒とはいかなかった。
その後にトランプ大統領自らが奇妙なメッセージを発したためだ。米国時間 13日、トランプ大統領は自身のSNSに「発表は関税の『除外』ではない」「別の関税『バケツ』に移されただけだ」と投稿した。さらに、同日テレビ出演したラトニック商務長官が、半導体に課す分野別関税は1〜2カ月後に詳細を発表すると発言した。
日経平均株価は前週比1.18%高。
香港ハンセン指数は2.4%高。
シンガポール、マレーシア、インドネシアの市場代表指数はいずれも1%台の上昇だった。
14日には、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席がベトナムを訪問した。
中国と東南アジアは隣接する地域(一部で国境問題がある)であり、トランプ相互関税で高い税率をかけられた同士(今は同じ悩みを持つ)でもある。
どんな外交成果が出てくるのか。
中国、東南アジア諸国と関係強化へ
習主席の今回の東南アジア訪問は、ベトナム、マレーシア、カンボジアを対象国とした。
最初の訪問地はベトナムだ。
東アジア14日夕の時点では、2国間協議の内容は報道されていないが、主席は訪問前に中国国営メディアに(米国の)保護主義に反対するメッセージを残した。
CNAの4月14日の記事:
東南アジア訪問開始の習主席が警告、保護主義は「行き詰まる」
Xi warns protectionism 'leads nowhere' as he starts Southeast Asia tour - CNA
中国の習近平国家主席は4月14日(月)、保護主義は「行き詰まり」、貿易戦争には「勝者はいない」と警告したと国営メディアが報じた。習主席は東南アジア歴訪の第一弾としてベトナムを訪問する前にメッセージを残した。
(中略)
到着直後に中国の新華社通信が報じた声明の中で、彼は「両党および両国間の関係に関する世界的影響を及ぼす諸問題についてベトナムの指導者らと突っ込んだ意見交換」をすることを楽しみにしていると述べた。
中国 Global Times の4月14日(月)の記事(中身は新華社電):
習近平主席、中国とベトナムに共通の未来に向けた共同体の構築を深めるよう促す
Xi urges China, Vietnam to deepen building of community with a shared future - Global Times
中国の習近平国家主席は月曜日、中国とベトナムは運命共同体の構築に向け、あらゆる面で努力を強化し、アジアと世界の平和、安定、発展、繁栄にさらに貢献すべきだと述べた。
習主席は「過去の成果を基盤に、共通の目標の追求において新たな前進を遂げる」と題する署名入り記事の中でこの発言を行った。この記事は、習主席によるベトナム国賓訪問を前に、月曜日にベトナムのニャンダン紙に掲載された。
この記事で引用された習主席の発言:
「両国は、多国間貿易体制、安定した世界的な産業・サプライチェーン、そして開放的で協力的な国際環境を断固として守るべきだ」
「我々は相違点を適切に管理し、地域の平和と安定を守らなければならない」
「陸上と北部湾における境界線画定の成功は、ビジョンさえあれば、協議と交渉を通じて海洋問題を適切に解決できる能力が十分にあることを示している」
4月14日、インドネシア大統領は中東、シンガポール首相は日本と電話
4月14日、今日もASEAN諸国の首脳たちは忙しかった。
まずはマレーシア首相。
CNAの4月14日の記事:
マレーシアのアンワル首相、今週バンコクでミャンマー軍事政権トップと会談へ
Malaysian PM Anwar says to meet Myanmar junta head in Bangkok - CNA
マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、地震の救援に役立てるため、軍事政権と反政府勢力間の停戦の延長を求めるため、今週バンコクでミャンマー軍事政権のトップと会談する予定だと述べた。
インドネシアのプラボウォ大統領は週末、中東諸国を歴訪していた。
アジアのイスラム大国の大統領は、エジプト、カタール、ヨルダンと、各国のトップに温かく迎えられた。
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プラボウォ大統領のX投稿(4月14日) |
国賓訪問を続けるためにアンマンに到着すると、ヨルダン国王陛下@KingAbdullahIIから温かく迎えられました。
私のヨルダン訪問は、インドネシアとパートナー諸国との戦略的関係を強化し、インドネシアとヨルダンの相互に利益のある協力の機会を開拓することを目的とした、中東地域における積極的な外交努力の一環です。
マルカ軍事空港、アンマン、
ヨルダン・ハシミテ王国、2025年4月13日。
シンガポールのローレンス・ウォン首相は、X投稿で、石破首相と電話会談したことを公表した。
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ウォン首相のX投稿(4月14日) |
本日、石破茂首相と電話で会談しました。世界情勢について有意義な議論ができました。二国間および地域レベルでの緊密な協力の必要性について合意しました。
( 📷️ : 2024年11月のAPEC)
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