シンガポールのGDP、2040年までに2倍に:DBS予想
シンガポールのGDP、2040年までに2倍に:DBS予想
東南アジア株式新聞 2025年10月23日
シンガポール大手銀行 DBSが10月22日に発表したレポート『Singapore 2040』は、
シンガポールの名目GDPは2040年までに 1兆2,000億~1兆4,000億米ドルとなり、
2024年の5,470億米ドルから倍増する、と予測している。
DBSの10月22日の発表:
Singapore 2040: The next 15 years of quality and inclusive growth
一人当たりGDPは独立以来176倍に増加し、世界第4位の富裕国となった。
信頼できるファンダメンタルズと健全な財政・金融バッファーにより、
経済は引き続き堅調に推移すると予測する。
GDPは2024年の5,470億米ドルから2040年までに1兆2,000億~1兆4,000億米ドルへと
2倍以上に増加すると予測する。
STI 株価指数は17年間の膠着状態を打破し、2025年には4,000を超え、
中期的な強気転換を示唆している。
強みの深化 – 高価値企業、グローバル金融ハブ、ITサービスリーダー、ケアエコノミー
DBSは、2025年から2040年までの実質GDP成長率を平均2.3%と予測している。
気になるのは、どんな産業セクターが経済成長を引っ張るのか。
DBS予測では、
2025~2024年の間、付加価値の約74%がサービス業、約16%が製造業、約5%が建設業の貢献だ。
サービス業が牽引するのは、現在のシンガポール経済でも同じ。少し具体的に知りたいところだ。
レポートでは、「シンガポールの未来を形成する」5つの焦点分野を挙げている。
焦点1:貿易と接続性(コネクティビティ)
チャンギ空港拡張(旅客数1億4,000万人、貨物量540万トン)、トゥアス港統合
(取扱量6,500万TEU)など、アジア有数の物流・航空宇宙ハブとしての役割を確保する。
デジタルプラットフォーム(digitalPORT@SGとNetworked Trade Platform)、AI/ロボティクス
などが発展。
焦点2:金融サービス
アジアを代表する金融センターとしての地位を継続。
銀行のウェルスマネジメント事業は、2040年まで年平均成長率5~6%で成長すると予想。
50億Sドル規模の株式市場開発プログラム(EQDP)を通じて資本市場を強化している。
革新的な金融スタートアップ企業、デジタル資産エコシステム、グリーンファイナンスを育成。
焦点3:エネルギーと気候
シンガポールは2050年までにネットゼロを目標としている。
水素対応発電所、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)、小型モジュール炉(SMR)など。
Sembcorp IndustriesやKeppel Ltdなどがエネルギー転換を主導する。
焦点4:不動産
都市再開発(中央ビジネス地区インセンティブ制度、戦略的開発インセンティブ制度)により、
オーチャード・ロードやマリーナ・ベイなどの主要エリアが活性化する。
地方分権化によって、新たな複合用途ハブが創出される。
不動産価格は2040年まで長期年平均成長率(CAGR)2〜3%で上昇すると予測。
焦点5:ヘルスケア
2040年までにシンガポール国民の3人に1人が65歳以上になる。
政府の医療費は2030年までに約300億シンガポールドル(年平均成長率7.5%)に達する。
治療重視型からケア重視型への移行により、Healthier SGなどの取り組みを通じて予防医療が重視され、2030年までに13,600床の増床による医療提供体制の拡大が見込まれます。
医療サービス、高齢者ケアインフラ、保険、資産管理、特に医療テクノロジーとデジタル化に
成長機会がある。

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