第13次マレーシア計画2026‐2030(略称:13MP、7月31日発表)
第13次マレーシア計画2026‐2030(略称:13MP、7月31日発表)
東南アジア株式新聞 2025年8月2日
マレーシアのアンワル政権は7月31日、次の5か年計画
「第13次マレーシア計画2026‐2030」(13MP)を発表した。
13MPの大きな目標は、マレーシアが2030年までに高所得国となるのに加えて、
世界30位以内の経済大国になること。
(高所得国は世界銀行の基準で1人あたりGNIが1万3846ドル以上。マレーシアはもう少し。
GDP30位以内はちょうどシンガポールやタイと並ぶあたり)
そのために年間5%前後のGDP成長を続ける必要がある。
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アンワル首相のX投稿(7月31日、13MP を説明) |
The Star の7月31日の記事(中身はベルナマ通信):
第13次マレーシア計画2026‐2030の経済ハイライト
以下は、アンワル・イブラヒム首相が本日国会に提出した「Melakar Semua Pembangunan(開発の再設計)」
をテーマとする第13次マレーシア計画(13MP)2026-2030の経済的なハイライトです。
- 13MPの実施には6,110億リンギットの投資が必要
- 政府からの開発予算は4,300億リンギットと見込まれ、そのうち2,270億リンギットは経済セクターに充てられる。
- 国内総生産(GDP)成長率は、国内需要、特に民間消費と投資を牽引役として、年間4.5~5.5%を目標とする。
- 実質民間投資は平均6.0%、実質公共投資は平均3.6%の成長が見込まれる。
- 2026年から2030年にかけて、国家開発投資に1,200億リンギットが充当される。
- 連邦政府の財政赤字は徐々に減少し、GDPの3.0%を下回る見込みであり、政府債務はGDPの60%を超えない。
- 平均インフレ率は、年間2.0%から3.0%の間で安定すると予測。
- 一人当たり国民総所得(GNI)は、77,200リンギットに増加する見込み。
この後も多くの項目が続くが、主な政策を取り出すと以下のようになる。
国家AIアクションプラン2030は、AIの広範な導入を支援するため、人材育成、研究、
技術の商業化を推進する。
13MP(2030年国家開発計画)では、NIMP 2030(新産業マスタープラン)、
NSS(国家科学戦略)、NETR(国家エネルギー転換ロードマップ)の実施を強化し、
包摂的かつ持続可能な経済成長を促進する。
マレーシアは、原子力発電の設備容量シェアを現在の29%から2030年までに35%に
引き上げることを目標とする。
政府は、州政府と協力し、希土類産業の発展を加速させることに尽力している。
自由貿易協定(FTA)を通じた経済統合の強化と、マレーシア・EU(欧州連合)間の
交渉再開に重点を置く。
マレーシアは、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、環太平洋パートナーシップに
関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)、マレーシア・トルコFTA(MTFTA)といった
FTAへの参加を強化し、市場拡大と貿易関係の強化を図る。
マレーシアは、引き続きBRICS諸国とASEAN諸国を活用していく。
アンワル首相は7月31日に議会で長い演説をした。
7月31日発表の首相演説本文:第13次マレーシア計画2026-2030
(マレー語)
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