タイ-カンボジア国境の衝突問題が混迷[更新]

タイ-カンボジア国境の衝突問題が混迷


8月29日、タイ首相が失職・内閣総辞職


日本経済新聞の8月29日の記事:

タイのペートンタン首相が失職 憲法裁命令、国境紛争で失言 - 日本経済新聞

タイの憲法裁判所は29日、ペートンタン首相を解職する命令を下した。カンボジアとの国境紛争を巡る失言が、

憲法で規定する倫理基準に違反すると判断した。政局の混乱は必至で、

軍が国政への影響力を強める可能性もある。

憲法裁はペートンタン氏の失職に伴い、内閣の総辞職も命じた。

ペートンタン氏は判決後の記者会見で「判決結果を受け入れる」と表明した。

「心から国のために尽くしてきた」とも述べ、悔しさをにじませた。




8月7日、現状維持の停戦で合意


タイ政府広報(PRD)の8月7日の発表:

2025年8月7日マレーシア開催のカンボジア・タイ国境委員会臨時会合に関する共同プレス声明

カンボジア・タイ国境委員会(GBC)臨時会合は、2025年8月7日、マレーシアのクアラルンプールで

開催されました。会合後、以下の共同プレス声明が発表されました。


合意した主な内容:

  • 2025年7月28日24時(現地時間)に停戦が成立した時点の現在の部隊配置を維持する。

  • カンボジア・タイ国境全域における兵力増強を行わない。

  • 緊張を高める可能性のある挑発行動を行わない

  • 捕虜となった兵士の処遇(生活環境、避難所、食料、負傷時の医療を含む)において、

国際人道法を遵守することで合意した。

  • 情報発信を控える。虚偽の情報やフェイクニュースを流布しない。

  • マレーシア主導のASEAN監視団が派遣されるまでの間、カンボジア又はタイに駐在する

ASEAN加盟国の防衛武官で構成され、マレーシア防衛武官が指揮する暫定監視団(IOT)を、

カンボジア及びタイの双方において別個かつ独立に設置し、双方の停戦の実施状況を

定期的に監視することに合意した。

  • 双方は、あらゆるレベルで定期的な連絡を維持することに合意した。

 大臣レベルと国防軍司令官レベルの間で、定期的かつ直接的な連絡を維持する。

  • 次回のGBC会合を2025年8月7日から1か月以内に(開催地は協議中)開催する。



7月28日24時に停戦すると合意


7月28日、タイとカンボジアの首相はマレーシアの行政首都プトラジャヤで協議し、停戦に合意した。

マレーシアが主催した会議には、米国と中国が大使を派遣した。


マレーシア外務省が発表した共同声明

JOINT PRESS RELEASE ON THE SPECIAL MEETING HOSTED BY MALAYSIA

TO ADDRESS THE CURRENT SITUATION BETWEEN CAMBODIA AND THAILAND

カンボジアとタイは、以下の共通認識に達した。

i. 2025年7月28日24時(現地時間)発効の即時かつ無条件の停戦。これは、緊張緩和と平和と安全の回復に

向けた重要な第一歩である。

ii. 2025年7月29日午前7時に、地域司令官(タイ側は地域軍第1・第2、カンボジア側は地域軍第4・第5)による

非公式会合を開催し、その後、双方が合意した場合、ASEAN議長国率いる国防武官との会合を開催する。

iii. 2025年8月4日に、カンボジアの主催により、国境総合委員会(GBC)会合を開催する。


両国が直接対話するとともに、マレーシアを含めた外相・国防省会議で停戦を確認する。




CNAの7月27日の記事:

停戦の期待にもかかわらずタイとカンボジアが衝突

サムラオン(カンボジア)発:ドナルド・トランプ米大統領の深夜の介入を受け、両国は停戦協議の用意がある

と表明していたにもかかわらず、7月27日(日)も4日目の衝突となった。

(中略)

トランプ大統領が土曜深夜に両首相と電話会談し、会談して「迅速に停戦をまとめる」ことで合意したと

発言したことを受け、両国は戦闘終結に向けた協議開始の意思を示した。

(中略)

カンボジア北部とタイ北東部の国境地帯にある、長らく争われてきた2つの古代寺院付近で、日曜朝、

新たな砲撃戦が発生した。この地域は戦闘の大半がここで行われている。

カンボジア国防省のマリー・ソチェアタ報道官は、タイ軍が午前4時50分に寺院周辺への攻撃を開始したと述べた。

AFP通信はこれに先立ち、前線から約20キロ離れたカンボジアのサムラオンの町では、定期的に鳴り響く

砲撃音により窓ガラスが揺れていると報じている。


両国とも米国との関税交渉をまとめられておらず、8月1日には米国への輸出品に高率の関税が

課される。

このまま戦闘を続ければ、どちらの国の経済にも悪い影響が出るのは明白だ。

にもかかわらず、戦闘が止まらない。


両国政府とも、相手側が攻撃をやめないと主張している。

どちらの主張が正しいかは不明だが、

タイは政権弱体化により、暫定首相の政権がすでに軍部を抑えられていない可能性がある。




CNAの7月25日の記事:

タイ、カンボジアとの衝突が戦争に発展する可能性があると警告、13万8000人が避難

タイ、スリン発:タイのプムタム・ウェチャヤチャイ首相代行は金曜日(7月25日)、

カンボジアとの国境をまたぐ衝突は「戦争に発展する可能性がある」と警告した。

両国間で2日連続の致命的な攻撃が繰り返される中、13万人以上が避難を余儀なくされた。



タイとカンボジアが国境地帯で戦闘


CNA の7月24日の記事:

タイとカンボジアの国境で砲撃と爆撃を応酬、民間人の死者も報告

バンコク発:カンボジアがロケット弾と砲撃を発射したことを受け、

タイは木曜日(7月24日)、カンボジア軍の拠点への空爆を開始した。

両国間の長年にわたる国境紛争は劇的に激化した。

両軍は、数週間にわたる緊張の高まりの後、最初の発砲は相手軍によるものだと非難し合った。


タイ政府は23日に駐カンボジア大使を呼び戻すと発表し、対立レベルを一段引き上げた。


24日の軍事力行使については、両国とも相手国が先に攻撃してきたと主張している。

同日の戦闘では、少なくとも民間人2人が死亡したとの情報がある。


タイ外務省の24日の声明:

(全文)

  1. タイ王国政府は、2025年7月16日と23日にタイ軍兵士がパトロール中にタイ領内に対人地雷が敷設され、

タイ軍人が負傷したことを受け、タイの主権と国際法に違反したことを強く非難する。

2025年7月24日朝、タイ軍基地に向けて重砲が発射され、午前中を通して継続された。

攻撃は病院を含むタイの民間地域も標的となり、民間人に死傷者が出た。

  1. したがって、カンボジアによるタイに対する意図的かつ計画的な行為の結果生じた事態の深刻さを考慮し、

タイ王国政府は外交関係を格下げし、駐カンボジア・タイ大使を召還することを決定した。

また、カンボジア政府に対しても駐タイ大使の召還を要請する。

  1. タイ王国政府は、カンボジアに対し、国際法の重大な違反を構成する度重なる行為をやめるよう

強く求める。

このような行為は、善隣関係と信義誠実の原則に根本的に反するものであり、

国際舞台におけるカンボジアの評判と信頼性をさらに損なうものである。

  1. タイ王国政府は、カンボジアに対し、発生した事件の責任を負い、民間人および軍事目標への攻撃を

停止し、タイの主権を侵害するあらゆる行動を停止するよう求める。カンボジアが国際法と原則に従い、武力攻撃とタイの主権侵害を継続する場合、タイ王国政府は自衛措置を強化する用意がある。


カンボジア外務国際協力省の24日の声明:


こちらでは、「24日早朝からタイ軍がカンボジア軍の駐留地に対し、挑発されていないのに計画的で意図的な攻撃をしてきている」と主張している。



ASEAN議長国マレーシアのアンワル首相は24日午後、記者団に対し、

「今晩、両国の首脳に電話するつもりだ」

「少なくとも彼らが撤退し、交渉に入ってくれることを期待できる。平和こそが唯一の選択肢だ」

と語った(The Star など)。



地雷爆発事件が両国の対立の焦点に

東南アジア株式新聞 2025年7月22日


CNA の7月21日の記事:

地雷爆発をめぐりカンボジアとタイの亀裂が深まる、フン・セン氏とタクシン氏が舌戦

タイとカンボジアの亀裂は、タイ政府が7月20日(日)、隣国カンボジアが両国の国境沿いに対人地雷を敷設したと非難したことでさらに深まった。先週、爆発によりタイ兵3名が負傷した事件を受けてのことだ。

両国の元指導者間の確執が続く中、カンボジアのフン・セン元首相はタイのタクシン・シナワット元首相との意思疎通を望んでいないと表明している


2人はかつて権力の座にあった頃、親密な同盟者と見られていたが・・・。


タクシン:土曜にタイのメディアへの発言。

会話が秘密裏に録音されているとの懸念を理由に、フン・センとの連絡を断つ決意を表明。


フン・セン:日曜のフェイスブック投稿で、以下の発言。

タクシンの娘(ペートンタン前首相)が「傲慢で私を見下していた」ため、タクシンとの連絡を断つ。

「有罪判決を受け、さらなる訴追に直面する準備をしている人物と話すつもりはない」


2人の有名権力者の対立はおもしろいが、最新のタイとカンボジアの争いの焦点は地雷だ。

7月16日の地雷爆発により、タイ兵士3人が負傷した。うち1人は片足を失った。

5月の局地的銃撃戦でカンボジア兵1名が死亡しているため、カンボジア軍が報復のために

タイ兵士が通りそうな場所に埋設したとの憶測がすぐに広まった。


7月20日(日)、タイ外務省は声明を出した。

Statement on the Protest Against the Use of Anti-Personnel Mines

(以下、声明の全文)

2025年7月16日、ウボンラーチャターニー県チョンボック近郊において、タイ第6021歩兵中隊の兵士3名が、

タイ領内の指定ルートに沿って定期パトロールを実施していた際に地雷を踏みました。

タイ王国政府はその後、担当治安機関から報告を受け、その後の調査で収集された証拠から、

当該地雷はタイ王国が使用も備蓄もしていない対人地雷の一種であり、最近敷設されたものであることが

判明しました。

担当治安機関による評価と関連証拠は、これらの地雷の敷設は国際法の明白な違反であるとの結論に至りました。


タイ王国政府は、対人地雷の使用を強く非難します。

このような行為は、タイ王国の主権と領土保全の明白な侵害であり、国際法の基本原則および国連憲章に

定められた原則の明白な違反であるだけでなく、対人地雷禁止条約の義務の明白な違反でもあります。

タイは締約国として、同条約に従って行動するとともに、既存の二国間チャネルを通じてカンボジアとの

意見の相違の解決に引き続き努めます。

タイは、両首相の二国間合意に基づき、両国国境沿いにおける人道的な地雷除去活動への協力を

カンボジアに求めます。



声明は、「タイが使用していないタイプの地雷」「最近敷設された」と言い、

地雷を敷設した疑いが濃いのはカンボジア軍であることをほのめかしている。

なにせタイ軍とカンボジア軍がにらみあっている国境地帯での事件であり、

タイの地雷でないなら、カンボジアの地雷だということになる。


しかし、カンボジア政府は自国の関与を認めていない。


カンボジア政府系の英字紙 Khmer Times の7月22日の記事:

カンボジア、対人地雷使用疑惑を否定

カンボジア外務国際協力省は昨夜、対人地雷の使用に関するタイの非難を否定する声明を発表した。

声明の全文は以下のとおり。

カンボジア王国外務国際協力省は、タイ王国外務省が2025年7月20日に発表した

「対人地雷の使用に対する抗議」と題する声明を断固として拒否します。

この声明は、カンボジアが対人地雷禁止条約(オタワ条約)に違反して新たな対人地雷を敷設し、

その結果タイ兵が負傷したと非難しています。

カンボジア王国政府は、これらの根拠のない主張を断固として否定します。

オタワ条約の文言と精神を全面的に遵守する締約国として、カンボジアは条約上の義務に違反したという

いかなる示唆も強く否定します。

カンボジアの地雷対策における一貫した努力と成果は、自国領土における戦争時の爆発性残留物除去における大きな進展や、他の地域における国連の地雷除去活動への貢献など、国際社会から広く認められています。

(以下略)


カンボジア側の声明では、以下のことが書かれている。

  • 問題の事件は、カンボジアの国際的に認められた領土の範囲内で起きている

  • タイ軍関係者が、国境未画定地域における一方的な活動を禁じる覚書に違反して侵入した

  • カンボジアは数十年にわたる武力紛争の痕跡である不発地雷の危険性について警告していた

  • タイは、地雷爆発によりタイ兵が負傷した地域で地雷を除去したと虚偽の主張をしている

  • カンボジアは、タイに、侵入行為を停止し、虚偽の主張を是正する措置を講じるよう強く求める



現状、国境付近で両国軍のにらみ合いは続いている。


両政府がまともに交渉する条件が整っているようには見えない。

カンボジア側、フン・セン上院議長と息子フン・マネット首相の統治は揺らいでいない。

この機会に問題地域をカンボジア領としてタイに明確に認めさせる構えに見える。


タイ側は、タクシン・シナワット家の政治力は弱まり、政治・外交の行方は、暫定首相と怒れる軍部

という危うい組み合わせが握っている。

弱腰外交と国内から見られれば、軍部のクーデタの可能性が高まるだろう。



タイ憲法裁判所、首相の職務停止

東南アジア株式新聞 2025年7月1日

7月1日、タイの憲法裁判所はペートンタン首相の職務を停止し、

同氏とカンボジア前首相との電話会談の内容を審査する。

ペートンタン氏は同日その前に、内閣改造を行い、自ら文化相を兼務する体制を整えた。




東南アジア株式新聞 2025年6月19日


5月18日に起きたタイとカンボジア国境の軍事衝突問題が混迷している。

両国の長い歴史の中で、国境問題は珍しいことではなく、平和的解決手段の用意もある。

だが、どちらも国軍の権力が強く、安易な妥協はできそうにない。


つい最近まで両国の関係は良好だった。

4月にタイ首相がカンボジアを公式訪問し、両国は経済協力を約束したばかりだ。

両国とも、米国との関税交渉に苦慮している’仲間’でもある。

平和的に解決したいのは両国共通の本音だろう。


6月半ば、タイ首相の不注意な行動が思わぬ波紋を広げた。

ぺートンタン政権は崩壊する可能性が出ている。






タイ首相の6月11日のX投稿の一部:

本日は、副首相兼国防大臣、副首相兼内務大臣、第2軍管区司令官、そして代表団とご一緒しております。

タイ・カンボジア国境情勢を監視するため、スリン県カブチョン郡を訪問し、治安機関、県知事、関係政府機関

との会談、軍関係者や現地住民への訪問・激励を行いました。

政府は国家の主権を守る上で「平和的手段」の原則を堅持し、安全保障と外交の両面でチームとして協力し、

交渉し、団結して行動し、人々の生活に影響を与えることなく、国境沿いの状況を解決し、平和を回復します。

  
ぺートンタン首相のX投稿、2025年6月11日
ぺートンタン首相のX投稿



タイ-カンボジア国境の軍事衝突以降の主な出来事


5月28日早朝、タイ、カンボジア、ラオスの国境地帯「エメラルド・トライアングル」で、

タイとカンボジアの両国軍が衝突し、カンボジア兵1名が死亡した。


  • カンボジア国防省は「タイ軍がカンボジア軍基地であった塹壕に発砲し、兵士が死亡した」

  • タイ軍は「カンボジア軍が武器を使用し始めた後にタイ軍が応戦した」


5月29日、実質的なカンボジア国家指導者であるフン・セン上院議長(元首相)が、

「係争地はカンボジア領土だ」


6月1日、タイ王国陸軍報道官のウィンタイ・スワリ少将、フン・セン前首相の主張を否定


6月8日、タイ政府の声明「14日に合同国境協議会(JBC)を開く」


6月12日、カンボジアのフン・マネ首相がフェイスブック投稿、

「タイの過激派グループがカンボジアへの電力とインターネットの供給を停止すると脅迫している」


6月14~15日、JBC開催。タスクフォースを設置し、「6月下旬に地域国境委員会(RBC)を開く」


6月16日、フン・マネ首相「国際司法裁判所に公式書簡を送付した」


6月17日、

  • カンボジアはタイからの農産物の輸出を禁止

  • タイはタイ人が国境を越えてカンボジアのカジノ施設で働くことを禁止




カンボジア首相の6月18日のX投稿(全文):


あらゆる階層、あらゆる政治動向、あらゆる宗教のカンボジア国民の偉大な連帯の力が、

一つのカンボジアの精神の下に結集し、コ・ピッチ劇場前から独立記念碑までの「連帯行進」を通じて、

国境紛争を平和的に解決し、カンボジア王国の統一と領土保全を守るという王国政府と

カンボジア前線部隊の姿勢を支持しました。


熱心な参加に感謝の意を表したいと思います。

これは、王国政府とカンボジアの最前線部隊が国防任務を継続し、いかなる犠牲を払ってでも

カンボジアの領土保全を守るための大きな励みとなります。


プノンペン、2025年6月18日水曜日の朝


フン・マネ首相のX投稿、2025年6月18日
フン・マネ首相のX投稿


タイ首相の電話がタイ政権崩壊の引き金になる可能性


CNAの6月18日の記事:

タイのペートンタン首相とカンボジアのフン・セン前首相の通話内容が流出、新たな緊張に


タイとカンボジアの関係は、水曜日(6月18日)、タイのペートンタン・シナワット首相と

カンボジアの有力者フン・セン前首相との電話会談が漏洩したことで、大きな打撃を受けた。

会談内容は、両国の緊張をさらに高めるかもしれない。


6月15日の電話会話では、ペートンタン首相はフン・セン前首相に対し、

国内からの圧力にさらされていると述べ、

国境に駐留するタイ軍司令官を含む「反対側」の意見に耳を傾けないようにと言ったという。


具体的には、フン・セン氏の発言を否定したタイの将軍について、

「彼はただカッコつけたくて、国家にとって役に立たないことを言っているだけで、

真に私たちが望んでいるのは平和です」と言った。

(CNAの映像ニュースでは、この部分の音声データを放映した。)



彼女はその後、記者団に対し、フン・セン前首相との会話は交渉戦術の一環であり、

タイ軍には何の問題もないと述べた。


一方、フン・セン氏は、メディアの取材に対し、

「電話の内容を紹介した80人のだれかから漏れたのだろう」。



タイのシナワット家もカンボジアのフン家も、政権の座に長いため、家同士の付き合いがある。

そのため、ペートンタン首相は、旧知の実力者フン・セン氏への電話によって、

手っ取り早く二国間問題の沈静化を図ろうとしたのだろうが、裏目に出た。



2024年8月に誕生したペートンタン政権は1年待たずに崩壊の危機に瀕することになった。


Free Malaysia Today の6月18日の記事(中身は国営ベルナマ通信):

タイ第2党が政権離脱、閣僚8人が辞任


タイの与党連合第2党であるブムジャイタイ党(タイの誇り党)は、政権からの離脱を発表した。

タイ通信社(TNA)は、同党の声明を引用し、閣僚8人全員が6月19日付で辞表を提出したと報じた。

TNAによると、

同党は、ペートンタン・シナワット首相とカンボジアのフン・セン前首相と国境紛争に関する電話会談で、

シナワット首相が自国の軍の「意思疎通の不全」を非難した内容が漏洩されたことを「有害な」行為とし、

これが政権離脱の引き金となったと報じた。




CNAの6月19日の記事

タイのペートンタン首相が謝罪、フン・セン元首相との通話漏洩で政権崩壊の危機


タイのペートンタン・シナワット首相は木曜日(6月19日)、

カンボジアのフン・セン前首相との電話会談が漏洩したことについて謝罪した。

この電話会談は国民の怒りを招き、タイ政権を崩壊の危機に陥れた。


連立パートナーが内閣から離脱したのを受け、

タイでは、首相の辞任もしくは総選挙の実施を求める声が高まっている。



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