シンガポール プライベート・クレジット市場育成の今
シンガポール プライベート・クレジット市場育成の今
東南アジア株式新聞 2026年2月3日
シンガポール政府が推進しているプライベート・クレジット市場育成について、最近の話題をまとめた。
「プライベート・クレジット(=私募市場での融資型商品)」は広い意味で使われるが、
同政府の場合、「プライベート・エクイティ(PE)、インフラストラクチャー」と並べて
プライベート・マーケットと呼ぶことが多いため、PEと対になる企業向けの融資型商品と考えて
よいだろう。
米国金融市場では「プライベート・クレジット市場、崩壊の危機」が予言され始めているが、
アジアの同市場は現在、成長中という段階だ。
豪州 IFMインベスターズがシンガポールにオフィス開設へ
The Business Times の2026年2月3日の記事(シンガポール発ブルームバーグ電):
シンガポールでプライベート・クレジットが伸びる中、豪IFMも参入
シンガポールは、急成長する1兆7000億米ドル規模のプライベート・クレジット市場におけるプレゼンス強化を
目指す中で、新たな国際資産運用会社を誘致した。
関係筋によると、国内最大級の年金基金が所有するオーストラリアの資産運用会社IFMインベスターズは、
3月にシンガポールにオフィスを開設する予定だ。
この記事によると、
シンガポールには、グローバルファンドのプライベート・クレジット・チームが着実に流入している。
2025年は、シックス・ストリート・パートナーズ(Sixth Street Partners)がオフィスを開設した。
ブラックロック系のグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ
(Global Infrastructure Partners)や、
ペンタグリーン・キャピタル(Pentagreen Capital)も、シンガポールでのプレゼンスを拡大している。
背景として、シンガポール政府の産業育成政策がある。
シンガポール通貨庁(MAS)の60億米ドル規模のプライベートマーケット・プログラムを進めている。
MAS to place up to US$5 billion with private equity and infrastructure fund managers
同政府は、プライベートエクイティ、インフラ、プライベートクレジットの運用会社を誘致し、
同国で人材育成を促進し、プライベート市場ハブとしての地位を固めるつもりだ。
通商産業省の10億Sドルファンド PCGF
The Straits Timesの2025年7月18日の記事(シンガポール発ブルームバーグ電):
アポロ、シンガポールの10億ドル・クレジット・ファンド運用を受託
政府調達ポータルサイトによると、アポロ・グローバル・マネジメントは、シンガポールの急成長企業向け
融資を目的とした10億ドル規模のプライベート・クレジット・ファンドの運用を受託した。
これは以下のファンドのことだ。
通商産業省の2025年10月22日発表の資料:
Private Credit Growth Fund (PCGF) 私募信贷发展基金
通商産業省とシンガポール企業庁は、
10億Sドル規模のプライベート・クレジット成長ファンド(PCGF)を設立する。
ファンドは、有望な地元企業の多様なニーズに最適な、希薄化のないカスタマイズされた資金調達を提供します。
資金調達支援は、ファンドマネージャーによる専門的なアドバイザリーサービスと連携しています。
企業は、合併・買収(M&A)、財務管理、サプライチェーン改善などの分野でアドバイスとガイダンスを
受けることができます。
テマセクのプライベート・クレジット・プラットフォーム、投資を拡大中
テマセクの2024年12月6日の発表:
このプラットフォームの初期ポートフォリオは約100億Sドル規模で、
直接投資とクレジット・ファンドで構成されます。
このポートフォリオは、ニューヨーク、ロンドン、シンガポールの各オフィスに勤務する、
テマセクのクレジット&ハイブリッド・ソリューション・チームから異動した約15名の
経験豊富なクレジット投資プロフェッショナルによって運用されます。
すでに一部の投資実績は明らかになっている。
シンガポールを本拠とする投資会社グラナイト・アジアの2025年12月9日の発表:
Granite Asia、汎アジア・プライベート・クレジット戦略に3.5億米ドルを確保
Granite Asiaは、汎アジア・プライベート・クレジット戦略「Libra Hybrid」をファーストクローズ、
3億5,000万米ドル超の資金調達を達成しました。
テマセクのプライベート・クレジット・プラットフォームであるAranda Principal Strategies、
Khazanah Nasional Berhad、インドネシア投資庁(INA)を
アンカー投資家とするこの戦略は、
総額5億米ドルのコミットメントを目指し、
世界中の機関投資家、政府系ファンド、Granite AsiaのGP、
25年にわたる創業者や起業家のネットワークなど、多様な投資家層から資金を調達しました。
このグラナイトのファンドは、シンガポール、マレーシア、インドネシアの政府系ファンドを
アンカー投資家にしたと言っている。
また、これより先にテマセク系のファンド会社も新ファンドを組成しており、
おそらくテマセクの資金も入ったとみられる。
The Business Timesの2025年8月27日の記事:
Temasek’s SeaTown raises more than US$612m for third private credit fund - The Business Times
テマセクが間接的に所有する投資運用会社シータウン・ホールディングスは8月27日(水)、
投資家からの6億1,200万米ドル超のコミットメントを受け、3番目のプライベート・クレジット・ファンドを
クローズしたと発表した。
同社によると、このファンドの初クローズは、新規投資家とリピーター投資家の関心を集めたという。
中東、日本、台湾、シンガポールにまたがる「ますます多様化・グローバル化する投資家グループ」からの
コミットメントを確保した。
このファンドは、SeaTownのプライベートクレジットの3期目となる。
10%台半ばの純リターンと、投資家への2桁の分配利回りの実現を目指している、と書かれている。
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